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ついに開催、オリンピックにまつわる珍名さん

珍名さん万歳(52)

東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ開催される。

 1896年に第1回大会がギリシャのアテネで開催され、今回で32回目となる。オリンピックを「五輪(ごりん)」と呼ぶが、「五輪」という言葉は新聞記者が文字を短縮するために考えた言葉と言われている。

「オリン」という言葉に対する語呂合わせと、「赤」「青」「緑」「黒」「黄色」で示される五色の「輪」から「五輪」となったそうだ。

 名字にも、「五輪(ごりん・いつわ)」がある。「ごりん」は福島県に、「いつわ」は長崎県に存在しているが、名字の由来は、どちらも地名と考えられる。福島県の「ごりん」は同県猪苗代町にある五輪原(ごりんぱら)、長崎県の「いつわ」は同県五島市にある五輪(ごりん)という地名である。

 五輪とは、元々仏教で万物を表す「地」「水」「火」「風」「空」を指している。平安時代後期から各地で供養塔や墓として使われた五輪塔がそうである。  
 
 オリンピックで優秀な成績を収めた選手に与えられるのが金・銀・銅のメダルである。「金(きん・こん)」という名字が秋田県に、「銀(ぎん・しらがね)」という名字が山口県・北海道に、銅(どう・あかがね)」という名字が北海道・福井県に存在している。

 また、「世界(せかい)」という名字も存在しているので、名前が「一(はじめ)」だと「世界一」となり、名前では金メダルにふさわしい。もし、世界一さんがオリンピックに出場し、金メダルを獲得したならば、世界的に注目を集めることだろう。

 ところで、五輪原(ごりんぱら)という地名は、「オリンピック」と「パラリンピック」を合わせたようで五輪にはぴったりの地名である。

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高信 幸男

たかのぶ ゆきお

名字研究家



1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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