中田翔選手の早期復帰“リフレッシュ処分”に見るコミッショナー・巨人・マスコミの体質【松野大介】
チームメイトへの暴行をしたプロ野球の中田翔が日本ハムから巨人へ移籍し、早くも試合に出ている。中田はこれまでにも、ファンが見ている練習場で後輩に執拗にボールを投げつけていびったり、またそれを注意するコーチに対して悪態をついたり、あるいは、嫌がっている後輩に対してしつこくパンチを浴びせたりしている動画がYouTubeにアップされてきた。しかもその振る舞いがファンが見てる前で公然とやっているのだ。その姿はまるで落ち着きのない中学生のヤンキーとなんら変わらない。今回の暴行事件によって無期限出場停止処分が下るや否や、最下位「日ハム」から首位争いの「巨人」への電撃トレード、そして早期レギュラー復帰。これっておかしくないだろうか? 元芸人の作家・松野大介氏が、日本プロ野球界とマスコミの悪しき体質を解説する。(編集部)
日本ハム球団は中田選手に対し、11日から「無期限出場停止」という重い処分を下した。だが20日に巨人へ無償トレード。翌日一軍登録され、代打登場。無期限出場停止からわずか10日!
ちょっとした夏休み程度の“リフレッシュ処分”になっただけだ。
これについてはこのところ批判噴出。
問題の本質はコミッショナーを含むプロ野球界と巨人とマスコミの体質にある。
《問題1》コミッショナー
本来なら日本ハムという球団の処分決定を、プロ野球の最高責任を担うコミッショナーが預かり、「今季は謹慎」など罰則を正式に提示し、「オフに契約球団を探せるかは検討」など裁定を下すのが筋だろう。2球団の監督の話し合いで決めてしまえるなら、コミッショナー不在の状態だ。
ドラフト、FAなどのシステムが、実情ではオーナー会議で決められたことがそのまま通ると言われ、このコミッショナー不在状態が今回の歪んだ早期復帰を生んだ。プロ野球界が勝利と利益優先の結果、コミッショナーは単なるお飾りと化している。
これを機にコミッショナーの厳格な立場を見直すべきだ。プロ野球界を考えれば、人格者である王貞治さんにコミッショナーを務めてもらいたいが、現実的に不可能。王さんに見合った方の就任が必須。(私的意見・将来は鈴木一朗さん、松井秀喜さんにメジャーのいい面を取り入れたコミッショナーになっていただき、悪しき慣習を一掃いただきたい)