「子育てと仕事を両立させるには?」「頭がいいとは一体どういうことか?」【角田陽一郎×加藤昌治】
あんちょこ通信 第4回
皆さまこんにちは。「あんちょこ通信」編集長のカイノショウです。
あんちょこ通信では、ビジネスパーソン専用の初のお悩み解決辞典として注目を浴びている『仕事人生あんちょこ辞典』著者の角田陽一郎、加藤昌治が、みなさまから届いた「仕事人生のお悩み」にパシパシ答えていきます。
お悩み相談は、定期的にYouTubeでも「お悩み”あんちょこ”ライブ相談会」として配信しています。そちらもぜひご覧ください!
今回は、「子育て」に関する2つの質問を取り上げます。
■まずはひとつ目の質問。
「私は現在育休中で、半年後に職場復帰を予定しています。出産前は終電まで働くことが多かったのですが、復帰後は以前のような時間の使い方はできそうにありません。半分のリソースでアウトプットの精度を下げない方法があれば教えてください」
「プライベートが仕事の足枷になってはならない」という気持ちは、たしかに多くの人が共有するところです。どう対処したらいいんでしょうか?
■仕事は自分ひとりでするものじゃない
角田:この質問には色々な観点がありますね。僕はまず、この方は出産前は終電まで働いていたとのことですが、復帰後は働かなくていいんじゃないの?と究極的には思っています。
お子さんがいない時のようなパフォーマンスで仕事をすることが難しい人が、お子さんを育てながらでも活躍できる場所をどのように作るのかがやっぱり大事なことだと思うんですよね。だから総論で言うと「やれる範囲で頑張る」でいいんじゃないでしょうか?
加藤:何年か前に、ある会社の方から聞いた話なんだけど、その会社さんでもやっぱり似たような話があったらしいんだよね。「子育てをしているママ社員の生産性は下がるのかどうか」みたいなさ。
それで、その会社さんの結論は「そのままですでに十分な仕事上必要な精度はあるのだ」だったと聞きました。
要は、子育て前の仕事で目標としていた精度があったとして、もちろん精度を高めること自体は悪いことではないんだけど、実は「そこまで高くなくても十分価値があった」という結論に達したんだって。そもそもが求めすぎだったのだと。
角田:それは「周りの問題」ということ?
加藤:きっと、周りにヒアリングして「そもそも十分だよ」という話になったんだろうね。育休だから下がってもいいということじゃなくて、元々設定してるレベルが高すぎたんじゃないか、という理解。
角田:「元々が200だったんだから、100でいいじゃん」ってことか。
加藤:そうそう。その方いわく、「子育て」という意識になるとまた変にハードルが上がってしまって、自分で自分の首を絞めている……みたいなことを云っていて、「確かに!」と思った次第。
角田:「周りの認識を変える」という話に関連させると、『仕事人生あんちょこ辞典』の「つるむ」の項目でも少し言ってるんだけど、僕は自分にきた仕事を自分でやらないで、人にあげちゃうんです。そうやっていくと、受け取った人が恩を感じてくれるから、次にその人から仕事が来ることもあるんだ。
その考え方を、質問者の方がどのように自分の職業に合わせられるかは分からないけれど、「自分のできることは自分でやる、自分のできないことは他の人に振る」から一歩先に進んで、「相手の手柄にしてあげる」ような感じで仕事をシェアできないか?と考えてみるのはどうでしょうか。
加藤:なるほど、それはあるね。
角田:「半分のリソース」というのはあくまで自分のリソースが半分になっただけで、シェアできる相手が2人、3人といたら、その分リソースも増えるじゃないですか。そう考えた総体でのアウトプットの精度を上げていく、という考え方ができるんじゃないか。
その前提としては、気心まで含めた相手との関係がないとだめだから、「コロナ禍でのZoom会議だけで果たしてそれが構築できるのか」とか、「やっぱり直接会って飲みに行かないと関係が築けないんじゃないか」とか、そういうことも問題になるとは思うんだけど。
話を戻すと、自分1人でやるという考えから離れて、皆とシェアできる環境を作るという観点になるしかないのではないかな。
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