ワーキングメモリ不足で仕事や勉強に集中できない人に。「パズル」が良いワケ【中野信子】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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ワーキングメモリ不足で仕事や勉強に集中できない人に。「パズル」が良いワケ【中野信子】

『脳はどこまでコントロールできるか?』より #3


ドーパミンの放出量が多い人ほど、新しい刺激を求めやすい——。では、なぜパチンコやゲームには没頭できるのに、大事な仕事は集中できないのか。脳科学者・中野信子氏の著書『脳はどこまでコントロールできるか?』(ベスト新書)では、パズルを使った意外な「脳の切り替え方」を提案する。超お手軽、読者のみなさんもレッツトライ。


■パチンコは時間を忘れ熱中するが…

 ギャンブル好き……とまではいかなくても、人間というのは脳からして、新しいものや刺激が好きで、どうしても落ち着いてひとつのことに取り組んだり、集中したりするのが苦手。個人差はありますが、やはり人間の脳は生まれつき、そうできているので、これは仕方のないことでもあるのです。

 でも、ゲームなら何時間でも続けられるのに、試験勉強はぜんぜん続かない。あるいは、パチンコなら何時間でも集中できるのに、仕事はなんだか身が入らない。どうでもいいことはやれるのに、やらないといけないことが続かない。そういう経験は、誰しもが持っているものではないでしょうか。

 私の周囲の人たちを見てみると、やっぱり学者としてすごいなと感じる人は、論文を読んだり新しい知識を自分のなかに取り込むことが大好き。そのことで大きな喜びを得られるから、何時間でも勉強できるのだな、と思います。

 こういう人たちにとっては、研究や勉強のなかに、ゲームやギャンブルと同じか、あるいはそれ以上の喜びがあるのです。

 たとえば、受験勉強だって、ゲームとほとんど同じことをやっているとも言えるのです。ハイスコアを獲得してランキングを上げるという構造を考えてみたら、まったく変わらないと言えるのではないでしょうか。

 しかし、ギャンブルやゲームと勉強が一緒、と理屈ではわかっても、なかなか自分に言い聞かせるのは難しいもの。そう簡単には、上手くいかないですよね。

 何かに集中したくても、どうしてもほかの誘惑に目がいってしまう……。そんなときは、次の方法を応用してみるとよいかもしれません。

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中野 信子

なかの のぶこ

脳科学者、医学博士。東京大学工学部卒業後、2004年、東京大学大学院医学系研究科医科学専攻修士課程修了。2008年、東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2010年まで、フランスCEAサクレー研究所で研究員として勤務。現在、東日本国際大学・客員教授。日本文化芸術機構・事業戦略会議委員。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。著書に『脳はどこまでコントロールできるか?』(KKベストセラーズ)、『科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)、『脳内麻薬』(幻冬舎新書)、『努力不要論』(フォレスト出版)など。また、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)、「ワイド! スクランブル」(テレビ朝日系)、「有吉ゼミ」(日本テレビ系)をはじめ、多数のテレビ番組で活躍中。

※プロフィールは公開時のものです

 

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  • 2014.08.19