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ダメな会社は、社長が部長の仕事をする!

人気経営コンサルタント・小宮一慶が教える「社長になれる人、なれない人」(3)

 

社長がやるべきは「経営」という仕事

 会社には営業や人事、製造といった具合にさまざまな仕事があります。それぞれ異なる仕事です。それと同じで、経営というのも全く別の仕事なのです。

 経営コンサルタントの大先輩に故・一倉定(いちくら・さだむ)先生がいらっしゃいますが、一倉先生が「ダメな会社というのは、社長が部長の仕事をし、部長が課長の仕事をし、課長が係長の、係長は平社員の仕事をしている。そして、平社員は、会社の将来を憂いている」とおっしゃっているように、社長は社長の仕事、つまり「経営」という仕事を行わなければならないのです。しかし、それが理解されていないことが多い。

 サントリー社長の新浪剛史さんは、その前にローソンの社長をしています。つまり、新浪さんはローソンでの経営手腕を評価され、社長としてサントリーに入社しているわけです。こうした社長のヘッドハンティングはアメリカなど海外では日常茶飯事で、A社で人事の仕事をしてきた人がB社で同じ人事の仕事を遂行する能力があると見なされるのと同じ話。これは、「経営」という仕事があるからなのです。

 逆に、営業で実績を上げ会社に利益をもたらした人材だからだといって、いきなり経営の仕事ができるわけではありません。経営は経営で、また違う仕事なのです。オリンピック競技でも、陸上競技で金メダルを取ったからっていって、水泳で金メダル取れるのかというと、それはまた別の話だと言えば分かりやすいでしょうか。

 

 

 

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小宮 一慶

こみや かずよし

小宮コンサルタンツ

代表

経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表。1957 年大阪府生まれ。81 年に京都大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱東京UFJ 銀行)入行。在職中の84 年から2 年間、米ダートマス大学タック経営大学院に留学、MBA 取得。91 年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。94 年からは、日本福祉サービス(現・セントケア・ホールディング)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。96 年に小宮コンサルタンツを設立、現在に至る。2014 年名古屋大学客員教授に就任。年100 回以上の講演を行う一方、著書は100 冊以上、累計発行部数は300 万部を超える。著書に『「ROE って何?」という人のための経営指標の教科書』(PHP)、『ビジネスマンのための「発想力」養成講座』(ディスカヴァー)など。


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