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ヒトラーに心酔した
神ががかった海軍士官

戦艦大和の特攻作戦と神重徳大佐 第1回

 海軍には奇人、変人などと呼ばれる人物がいるが、神重徳大佐はその名の通り「神がかった」言動をすることがあり、天才肌でありながら唯我独尊的な性格の持ち主であったようだ。ドイツ駐在中にヒトラーに心酔し、三国同盟の締結、対米開戦を強く主張したことでも知られる。口髭もヒトラーを真似たものと言われる。作戦立案にあたっては猪突猛進という言葉を連想させるものがある。昭和17年(1942)7月8日の第1次ソロモン海戦では、第8艦隊司令部参謀として作戦を立案し、指揮を執った。神は敵艦へ夜間攻撃を実施したが、これを「なぐりこみ」と表現している。

 翌18年7月29日のキスカ島の陸・海軍守備隊約5200人の全員撤退にあたっては、第5艦隊の軽巡洋艦「多摩」艦長として、艦隊司令長官の河瀬四郎中将に対して「早期突入」を進言するなど作戦の成功に導いた。

 

 

 

 

 

 

 

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松田 十刻

まつだ じゅっこく

1955年、岩手県生まれ。立教大学文学部卒業。盛岡タイムス、岩手日日新聞記者、「地方公論」編集人を経て執筆活動に入る。著書に「紫電改よ、永遠なれ」(新人物文庫)、「山口多聞」(光人社)、「撃墜王坂井三郎」(PHP文庫)など。


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