「古市流、仕事を引き寄せる方法は?」古市憲寿さんに聞く!(6)
仕事ではない「社交」から、仕事が生まれる
パーティーは、自分で開いた方がラク
うーん、何でしょうかね。そもそも仕事自体そんなしてないんですけど(笑)、そのぶん友達は多いと思います。「仕事のために」みたいな意識でやっていることって、ほとんどないんですよね。仲良くなりたい人と仲良くなって、ゲームをしたり食事をしてるだけです。社交に費やす時間はとても多いと思います。そういった友達との関係から、結果的に仕事になることは結構ありますね。
社交の場には呼ばれることも多いですが、僕には持論があるんです。「パーティーは呼ばれるよりも、開いたほうが楽」。当たり前なんですけど、人が開いたパーティーに行くと知らない人ばっかりですよね。でも、自分で開いたら、僕の友達が知らない人を連れて来てくれたりもしますが、基本的には知り合いばっかりになります。
だから気を遣わなくて済むからラクじゃないですか(笑)。居心地もいいんですよ。もちろん友達が友達を連れてきてくれるから、知り合いは結果的に増えるし。さすがに毎日パーティーばかりしているわけではないですが、夕食はほぼ誰かと一緒に食べてますから、「毎日会食している」とは言えるかもしれません。
一般的に、会食やパーティーって何かしらの目的があることが多いと思いますが、僕の場合は「特になし」というケースの方が多いです。なんとなく「この人をこの人に紹介したら、面白いことになるんじゃないか」とか、「この人にこの話をしたら、そのうち見たことのない面白いことが生まれるんじゃないか」という感じで、適当に予定を組んでいます。
だから、僕の思っている社交は、世間一般の社交とはちょっとズレているかも知れません。すぐにはお金にはならなかったり、むしろお金にするつもりもないので。
そもそも、僕は目的を持って何かをすることが極端に少ないんですよ(笑)。「なんか楽しそうだな」「なんかこの人面白そうだな」って直感が、いろいろな物事のスタートなんです。
手紙や電話に見える価値観のズレ
会食のセッティングの連絡手段は、もっぱらLINEを使っています。最近では仕事の連絡もLINEですることが増えていて、メールはあんまり使わなくなってきていますね。これは完全に個人的な判断基準なんですけど……電話で仕事の依頼をしてくる人とは、あんまり一緒に仕事をしたくないなって思っちゃうんです。
もっと抵抗を感じるのは、手書きの手紙で依頼をしてくる人。そういう頼み方が刺さる方もいるのはわかるし、わざわざ時間を割いてくれているのはありがたいことが、「僕とは合わないな」と感じてしまうんです。
僕も本を送る時や、誕生日会のお礼には手書きのポストカードをお礼に送ったりしますよ。でも、仕事のスピード感にやっぱり手書きの手紙は合わないと思ってしまうんです。
多分、根本的な価値観のズレがある中で一緒に仕事をしても、お互いのためにならないと思うんですよね。依頼をしてくださる気持ちはうれしいですが、僕に手紙を出すのは本当にやめてくださいね(笑)。あとできるだけ電話もしないでください(笑)。