身分の差と時期によって異なる古墳の種類
大仙陵はいかにして造られたのか? 第4回
■3世紀から7世紀までさまざまな形状が登場した
古墳は、時代によって築造された、その形状が異なる。前方後円墳や前方後方墳は古墳時代の初期から見られ、後期にあたる6世紀まで築造されていた。また帆立貝(ほたてがい)式古墳は、前方後円墳の変形あるいは円墳の変形であるが、5世紀を中心に築造されたものであった。円墳と方墳は初期から古墳時代の終末期である飛鳥時代まで続くものである。ちなみに最も多い形は円墳であり、全国に20万基ともいわれる古墳のほとんどを占める。
この他には、数が少ない特殊なものがいくつかあげられる。双方中円墳(そうほうちゅうえんふん)は前方後円墳の変形で、前方後円墳に方の段が取り付いたものであり、前期に見られたもの。一方、双円墳(そうえんふん)には後期の例がある。上円下方墳や八角形墳は時代が下った7世紀代に見られる形で、八角形墳は天皇陵と見られるものであった。
また、墳丘に造出状の施設が取り付いていたり、段築(だんちく)、周濠、中島、堤(つつみ)などの施設があるものなど、そのヴァリエーションはさまざまであった。