会計士が見た「粉飾決算」の真実
なぜ企業の事件は「現場」ではなく「帳簿」で起きているのか?
ベストセラー『決算書はここだけ読め!』、『会計士は見た!』の著者待望の最新刊! 今作は、企業会計の「事件」に焦点を当てました。
粉飾(ふんしょく)決算、見せ金、水増し、データ偽装、改ざん、虚偽報告、ブラック企業……。「あやしい数字」が企業の事件を雄弁に物語ります!
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複雑な会計知識はいっさい不要です!
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電卓いりません! 細部は読み飛ばしOK!
■それでも会社の「数字」が読めます!
■巨悪(ワル)の数字が見えてきます!
■決算書(=帳簿)は会社の「不都合な真実」をゴマかせない
■また、会社の未来を「予測する」ための「超おトクな実用書」です!
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●キーワードは「犠牲」!
東芝、旭化成建材、三菱自動車、ワタミ、日本マクドナルドなど会計士である著者がニュースな企業の決算書(帳簿)の「あやしい数字」から「事件」の核心を読み解きます。
●企業会計は誰を「守り」、誰を「犠牲」にするのか!
つまり、企業会計事件は、必ず「利害関係者(ステークホルダー)」の誰かを犠牲にしてしまうのです。
●本書は2部構成です!
第1部では、とくに「株主、債権者」を犠牲にする事件を扱います。
決算書の基本的な読み方をお話しした上で、「粉飾決算のからくり(メカニズム)」と当該「事件企業」の解説を行います。
第2部では、「顧客」と「従業員」を犠牲にする事件に焦点を当て、話題のデータ偽装企業やブラック企業などを扱います。
決算書を読めば、すべてがバレる。手に取るように「わかる」はずです。
■東芝:不適切な会計処理で出た「のれん」ってなんだ?
■旭化成建材:子会社の悲哀。赤字脱却でイジったのは「この数字」!
■フォルクスワーゲン:激増した利益の影で増えなかった「その数字」とは?
■三菱自動車:倒産の危機を招くのは「当たり前の数字」の減退だった!
■ワタミ:倒産回避のために撮った「二つの」劇的判断とは?
■日本マクドナルド:マック再生の根拠は意外にも「あの数字」だった!
【目次】
はじめに
第1部 粉飾の帳簿 粉飾決算のからくり/株主、債権者を犠牲にする事件
序 章 ある会社の倒産劇をみる
第1章 粉飾のポピュラーなメカニズム(複式簿記の基礎)
第2章 粉飾した会社はどれもよく似ている
第3章 ダメ会社の実態を暴露したキャッシュ・フロー計算書
第4章 子会社の幼稚な粉飾に騙され続けた親会社
第5章 東芝−−100億円の粉飾は100億円では終わらない
第2部 改ざん・ブラック企業の帳簿 顧客を犠牲にする事件/従業員を犠牲にする事件
第6章 重要事項をおろそかにして赤字脱却
第7章 顧客の喪失はすべての喪失
第8章 自動車業界の二大不正—高くつく虚偽の代償
終 章 従業員が犠牲になる経営—ブラック企業からの脱却
おわりに
前川修満(まえかわ・おさみつ)
1960年石川県金沢市生まれ。同志社大学商学部卒業。公認会計士・税理士・日本証券アナリスト協会検定会員。澁谷工業株式会社、KPMG港監査法人(現・あずさ監査法人)を経て、1992年に公認会計士・前川修満事務所を開業。2006年にはアスト税理士法人を設立。代表社員に就任し、現在に至る。これまで数多くの経営者や会社員にセミナーや書籍を通じ決算書の読み方を解説。決算書の本質をわかりやすく指導すると同時に、近年は不祥事を起こした企業の「裏の顔」を決算書から読み込む方法を読者に伝授する評論活動を行っている。本書は、決算書を読者が自分の頭で簡単に理解し、判断できるように複式簿記の基本から著した。さらに、粉飾決算など企業不祥事のパターンを体系化して順序立て説明してある。主な著書に『決算書はここだけ読め!』(講談社現代新書)、『決算書は「下」から読む、が正解!』(SB新書)、『危ない会社は一発でわかる』(講談社)、『会計士は見た!』(文藝春秋)など。