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恐怖の「スーパー淋病」、最初の発見地は日本!?

門倉貴史著『不倫経済学(ベスト新書)』より

◆恐怖の「スーパー淋病」に注意せよ

門倉貴史著の『不倫経済学(ベスト新書)』の第4章、「老いてなお盛ん、老人の性愛」より、老人の性感染症リスクについて紹介する。

 「高齢者と性」は、昔からタブー視されてきた話題であるが、高齢になってからも夫婦で性交渉を持つことは、健康にプラスの効果をもたらすと言われている。

 

 たとえば、英国のマンチェスター大学の研究によると、60代・70代で満足できる性生活を送る人たちは、頭脳明晰で記憶力にも優れていることが判明した。シニア層のセックスは頭脳を若々しく保つ働きがあるということだ。

 ただし、むやみやたらとセックスをすればいいというものでもない。高齢者の自由恋愛には、意外な落とし穴もあるので十分な注意が必要だ。

まずは、米国のデータから紹介しよう。米国インディアナ大学がインターネット上で行った性行動に関する調査(14歳から94歳の米国人5300人以上を対象、2010年に実施)によると、米国人はかなりの高齢(80代前後)まで性交渉に積極的であるにもかかわらず、50歳以上で性交渉の際にコンドームを使用していると答えたのは、男性の5人に1人、女性の4人に1人だった。

 また、『性的な健康と行動に関する全国調査』(2010年)の結果によると、米国の60歳以上の男性の5割、女性の4割が性交渉に関して現役であるにもかかわらず、61歳以上の米国人でコンドームを使用するのはたったの6%にすぎなかった。

 なぜ、シニア層はセックスをするときにコンドームを使わないのか。一番大きな理由としては、加齢によって避妊を気にせずにすむことが挙げられる。しかし、妊娠の心配がなくなっても、性感染症の危険は依然として残るということを忘れてはならない。

 高齢者は、それまでのセックスパートナーとの関係が終わったり、パートナーが亡くなったりしても、ほかの相手とデートしたり複数のパートナーと関係をもつ場合があるので、妊娠することはなくても性感染症にかかるリスクは存在するのだ。 

 実際、米国では性感染症にかかる高齢者が急増しており、疾病対策予防センターの発表によると、2007年から2011年にかけて、65歳以上の米国人高齢者のうち、クラミジア感染者数は31%の増加、梅毒感染者数は52%の増加を示している。

 では、日本ではどうなのか。実は、近年、日本でも米国と同じような現象が起こっている。厚生労働省のデータによると、性感染症にかかる60歳以上のシニア層が増加傾向をたどっている。たとえば、2005年時点では70件にとどまっていた60歳以上の梅毒感染者の報告は2014年には207人と、3倍近くに膨らんだ。

 性感染症のひとつである淋病は、かなり有名な病気で、感染者数も多いが、近年、抗生物質であるセフトリアキソンの効かない「スーパー淋病(H041)」が世界的な広がりを見せている。何を隠そう、この「スーパー淋病」が最初に発見されたのが日本なのだ。

 2009年、京都のファッションヘルスで働いていた女性(当時31歳)の喉に「スーパー淋菌」が付着していることが判明した。「スーパー淋病」は、一度かかってしまうと、現代医学では治療ができない病気で、恐ろしいリスクをはらんでいる。高齢者の自由恋愛が拡大するなか、これ以上「スーパー淋病」に感染する人が増えていかないよう十分な警戒をすべきだろう。

門倉貴史著の『不倫経済学(ベスト新書)』より抜粋

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  • 門倉貴史
  • 2016.02.08