不倫男性は、不倫で妻への愛情を一段と深める
門倉貴史『不倫経済学』より抜粋
◆妻を愛しているのに、なぜ不倫に走るのか?
愛より一時的なスリルを求めて不倫に走るのだ。
『不倫経済学(門倉貴史氏著)』の第2章、「不倫と景気の相関関係」より紹介する。
不倫する男性は、妻への愛情が薄れてしまった結果として他の女性に走るのではなく、妻を死ぬほど愛しているのになぜか不倫に走ってしまうのを、読者のみなさんは、ご存じだろうか?
妻の立場からすれば「まあ、なんて都合のいいことを言っているんだろう‼」とあきれかえるかもしれない。
こうした不倫男性の心理は、立命館大学の松本健輔氏が不倫経験のある既婚男性、複数名にインタビューを行うことで明らかになった。
松本氏の面接調査の結果を見ると、まず、不倫男性は妻に対して「日常生活の家事を協力する」「記念日はかならずサプライズをする」「毎日愛していると言う」など、愛情を示す行動をとることがわかった。これは不倫をしていることの後ろめたさから出た行動というわけではなく、不倫男性たちは不倫に走る前から妻に対しては優しい行動をとっていた。
「妻に愛情があるのなら、わざわざ他の女性と不倫をする必要はないではないか」と思ってしまう。では、不倫をする男性は不倫相手に対して何を求めているのだろうか。面接調査の結果によると、不倫男性が不倫相手に求めるのは身体のつながりというよりは、むしろ心のつながりのほうだった。
不倫男性は不倫相手との間で、非日常的な時間を共有し、ときめきやドキドキした感情を持ちたいと考えていたのだ。
つまり、不倫をしている男性は、以前と全く変わらずに妻を愛しているものの、長い結婚生活で希薄になってしまったトキメキやドキドキといった感覚を不倫相手と過ごすことによって補おうとしているのだ。なんとも自分勝手な考えではある。
そして、不倫男性は、不倫をすることを通じて精神的な余裕ができて、妻の存在を再評価するようになっているという。不倫をすることによって、今まで以上に妻を大切にするようになるということだ。
では、不倫男性は、不倫が妻にバレた場合はどうするのか。面接調査の結果によると、不倫男性は「自分が妻を大切にしてきたのだから、妻にとっても自分は大切な存在のはずで、まさか別れることにはならない」とかなり楽観的に考えていることがわかった。
不倫男性の皆さんは、うっかり香水の匂いやルージュの跡をつけたまま帰らないよう、注意が必要だ。さもないと、莫大な慰謝料を請求されてしまうかもしれない。