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三河武士の聖地で甲冑体験!

鈴木輝一郎 戦国武将の史跡を巡る 第22回

岐阜在中の歴史作家・鈴木輝一郎がゆるりとめぐる、戦国武将の史跡。
つい見落としてしまいがちな渋い史跡の数々を自らの足で訪ね、
一つ一つねぶるように味わい倒すルポルタージュ・ブログシリーズ開幕!

徳川家発祥の地で武将気分を味わう

 

この写真コラム、『できるだけ絵になるものを』ってことであれこれ探してます。
実のところ愛知・岐阜・三重・滋賀あたりは戦国史跡の宝庫で、マニアなら垂涎のポイントが山のようにあるんですが、城跡は由緒あるものほど跡形もない……せっかく岐阜に住んでいるのにね。
で、今回はちょっと趣向をかえて。
 
戦国といえばやはり甲冑はかかせませんね。
岐阜・関ヶ原まつりではマニアなみなさんがマイ甲冑に身をかためて全国からやってきます。 
で、調べてみると、けっこう甲冑試着体験ってやってます。
 
まずは手始めに、と、
「岡崎 三河武士のやかた家康館」
ここは無料で甲冑体験ができます(注・施設入館料は必要)。しかも常設。
「簡易甲冑」なんだそうです。
 
係りの人に「靴をはいたままでいいです。ジャンパーだけ脱いでください。ズボンもセーターもそのままで」といわれて、ちとびっくり。
まずは臑当てをズボンの上からくくりつけます。
それから草摺り。さらに籠手は左腕から。
よく「籠手・臑当て」という言い方をしますが、これだけだとたしかに軽い。胴は前半分だけでうしろはがらあきですが。。
この上に陣羽織をはおると、ほらこの通り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても「簡易型」にはみえません。
いやぁ、自分で言うのもナンですが、なかなか似合ってます。出家した武将みたい。
 
あとは兜を装着。
「井伊の赤備」風ですが、そこはホラ、あまり堅いことはいわない。
太刀も貸してくれます。もちろん写真撮影もオッケー。
 

 

 

 

 

これでいえるのは、
「言われるほど甲冑は動きにくくない」
こと。籠手や臑当てに縫い込まれた札はアルミ製で、
たしかに素材じたいが軽いこともありますが、
可動部分がよく考えてつくってあります。
 
あと、この装備はほぼ足軽相当のものですが、
「これでも前からの攻撃ならけっこうなんとかなる」
のが意外でした。騎馬武者になると馬に乗ってるときに背後からやられる可能性があるから後ろの備えは必要でしょうが。
 
それはそれとして、けっこう楽しい。なるほど、マイ甲冑を欲しがる気持ちはよくわかる。
 
場所 岡崎公園内 三河武士のやかた家康館
料金 無料(入館料 大人350円小人200円)
 
岡崎公園は岡崎城跡。
さすが徳川発祥の城だけあって、遺構がよく残っています。うらやましいですね。
 
(鈴木輝一郎 小説家 岐阜県在住)

 

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鈴木 輝一郎

すずき きいちろう

作家

1960年岐阜県生まれ。小説家。歴史小説『浅井長政正伝』『戦国の凰 お市の方』など著書多数。2008年には著作が50冊に達した。

日本推理作家協会・日本文藝家協会・日本冒険作家クラブ会員。


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