マセラッティ、ジープでシェアされることが確定したアルファ・ロメオの新プラットフォーム
KULUMA 「日常のクルマ」をイメージする 不定期連載第2回
アルファロメオ
アルファロメオを高級路線に変更したことで、フィアット・クライスラーは去年大金を失った。
そして今年もまた失う予定だ。
1月26日、フィアットクライスラーCEOのセルジオ・マルキオンネは、その事実をアナリストらに話した上で、ジュリアのプラットフォーム「ジョルジオ・プラットフォーム」をマセラッティやダッジ、ジープとシェアすると明言した。
シェアしないと、続くアルファの赤字に対応できないからなのか、それともやはり「出来が良い」のか。
今のところ、失った金は2.7ビリオン。つまり27億ドルなので、3000億円(今までの報道では1100億円と言われていた)ほど。車のメーカーがかける金額としては過剰らしい。フィアット・クライスラーは2014年にはアルファに6000億円を投入する予定だと語っていたが、それは2020年に先延ばしにした。
アルファに限れば大赤字だが、グループ全体のプラットフォームへの投資と考えているので問題ないとCEOは考えている。元々はアルファ専用のはずだったが、やはりジュリアは売れないし、高級車として定着するのはまだまだ先。
アメリカでもう一度アルファを…という野望があるものの、座ったら顔の横にピラーがあることが酷評されているジュリアは、すでに売上を期待できない。
プラットフォームのシェアについては2016年から噂されていて、ミッドサイズのニューダッジ(「チャレンジャー」「チャージャー」)、ジープ(おそらくグランド・チェロキー)などが対象とされていた。今回のCEOの発言でそれらの噂が本当だったと明らかになり、マセラッティも2018年以降のギブリを含む全車でプラットフォームが使われるとみられている。
一方、アルファジュリアとSUVのステルビオ以後のアルファモデルはまだ決定していない。
剛性が高いためコンバーチブルも当然企画はされているはずだ。
もしプラットフォームがFFのままだったらと思うと恐ろしい。
当初FFで開発されていたプラットフォームはマルキオンネの一声でFRに変更。4WDにも対応し、マセラッティやジープにも応用できるようになった。
フィアットクライスラーにとっては「ダイヤの原石」だと言われていて、この超高額なプラットフォームが、さらなるブランド価値の向上に貢献すると期待されている。