例えば、攻撃がうまくいかないとき改善する方法【岩政大樹の現役目線】
相反するように見えるものが処方箋になる
両立とは一方がだめになったときの保険ではない
僕はサッカー選手には珍しく、数学の教員免許を持っています。この歳になって数学を勉強し直す気力はなく、数学の教員になることはないと思いますが、数学的な考え方はサッカーに生かされています。
数学を学ぶことで論理的な思考力が養われると言われています。数学とはそもそも論理を数式で表したものですから、数学に取り組むことで論理的に考える素養が身につくことは自明でしょう。
少しでも話し込んでいると、鹿島時代のチームメイト(特にゴールデンエイジの面々!)によく「話が長い!」(「理屈っぽい!」と同意)と突っ込まれましたが、そうした私であることは自分でもよく理解しております。
今日お話ししたいのは「両立」についてです。両立とは、一方がダメになったときのための保険の意味合いで受け取られることが多いですが、僕の感覚ではこれらは別個のものではなく、同じ「自分」という括りの中で繋がっています。つまり、僕にとってサッカーをすることは勉強に、勉強をすることはサッカーに、それぞれが生かされて一緒に大きくなっていくものなのです。
今日のテーマは、「両立のススメ」です。
僕は元々、サッカー選手を目指してはいませんでした。というよりも、「サッカー選手になれるかもしれない」という可能性を1ミリも感じることなく育ちました。将来をずっとサッカーで生きていこうなんて考えもしなかったので、教師をしていた両親の背中を見て、自然に教師になろうと思うようになり、勉強も決してガリ勉ではありませんでしたが、しっかりと取り組みました。
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