川崎フロンターレはなぜ「理想のサッカー」を追及するのか? 大島僚太「目指すサッカーがあるから、全員がひとつの方向に向かっていける」
大島僚太さん4月毎日更新 Q14.理想のサッカーを追求するメリットとは?
――理想のサッカーをしながら結果を残すのは難しいと思うのですが。
そうですね。
ただ前も言ったように、やりがいがあることが何よりのモチベーションになっています。
それに、このサッカーを追及し始めてから出ている選手、出ていない選手の差がなくなるというか、同じひとつの目標に向かっていける良さというものも感じています。サッカーの場合、試合に出られる選手は11人と決まっていて、出られない選手は必ずいます。そういうとき、チームにおいても出られない選手のモチベーションをどうあげていくか、ってすごく難しい問題だと思うんですね。
フロンターレの場合、目指している理想のサッカーがあることでひとつの方向に向かっていける。スタメンで出られていなくても、途中から出た選手が同じように活躍できるのはそういう部分があるからだと感じています。
――具体的にはどういうことでしょうか。
例えば、勝つためのサッカーには相手の良さを消す練習が必要だと思うんですね。そのためには、出ていない選手が練習で「仮想相手チーム」としてプレーしなければいけない。言い方は悪いですけど、駒のようにプレーしなければいけなくなります。日々、そういうプレーをしていると、いざ試合に出たときになかなかいいプレーをすることはできないと思うんです。
フロンターレの場合、自分たちが主導権を握る、ということを目指して、みんながモチベーション高くいられるサッカーをしているので、そういう点ではいいのかな、と思います。
あとは、自分たちが主導権を握るサッカーをすることで、チャレンジするプレーが多くなるわけですが、その分ミスをしてしまうことも増える。監督たちがミスをしても「続けろ」と口酸っぱく言ってくださるので、チーム内でもミスを責め合うようなことがないのもすごくいいなと思います。自分自身のプレーに集中できますから。
ただ、昨シーズンのように最終的にはアントラーズが勝っていることは考えなきゃいけない。だからこそ、やっぱりタイトルなんですよね。