分かっていても止められない。C・ロナウドの″ワンタッチシュート”
DF目線からストライカーの動きを読む
■岩政大樹・現役目線第23回
■大きく変わったクリスティアーノ・ロナウドの得点パターン
ヨーロッパチャンピオンズリーグは、レアル・マドリードの史上初の連覇で幕を閉じました。下馬評では五分と見られたユベントスを4-1というスコアで蹴散らしました。準決勝までの12試合でわずか3失点だったチームから4得点を奪うなど、誰が予想したでしょうか。
なかでも圧巻はクリスティアーノ・ロナウドです。老獪で堅牢なユベントス守備陣の間をぬってペナルティーエリア内に侵入し、ワンタッチシュートで2得点しました。
今のクリスティアーノ・ロナウドからは以前のイメージは完全に消失しています。ドリブルからのシュートはほとんど見られなくなり、ほとんどのゴールをワンタッチで決めるようになりました。それは単なる偶然ではなく、彼を見ているといつもワンタッチでシュートを打てるポジショニングをとり続けているのがわかります。
スペインのある指導者の方が、「ストライカーとはペナルティーエリアに入ったら、頭のスイッチを切り替え、ワンタッチでシュートを打つことばかりを考えなくてはならない」と言っていたことを思い出します。
以前、「たくさんのゴール数を目指すのであれば、スーパーゴールを求めていてはいけない」(第8回『ごっつぁんゴール」と「スーパーゴール」 得点を重ねる選手に必要な条件とは』)という話を書かせていただきましたが、ワンタッチでのゴールを増やすということはまさにそういうことです。
「ワンタッチゴールを狙う」
言葉で言うのは簡単ですが、実際はどういうことなのかに(今回は)迫まってみたいと思います。