日本人らしいサッカーとは何か。W杯を制覇するにはどうするべきか?
尽きないテーマに岩政大樹が挑む
■岩政大樹・現役目線第28回
6大会連続のW杯まで9カ月。この間に、何をすべきなのか。サッカーの議論を深めるべきだーー。「サッカーの見方が変わる」と大きな反響を呼ぶ一冊「PITC LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法」(ピッチレベル)を上梓した岩政大樹氏の最新寄稿。
日本サッカーの段階は「サッカーの歴史」をなぞっているところ
日本人らしいサッカーとは何か。
日本がワールドカップを制するためにはどんなサッカーを目指すべきか。
サッカー人であれば一度は想像する永遠の難題です。
これまでも十分に語られてきましたが、これからもずっと語られていくのでしょう。サッカーに正解はなく、語らうことでしか埋められないものもあるでしょう。
世界に打って出て世界を制するには、日本の独自の強さをもつことは必須です。僕もサッカーに生かされてきたものとして、生きている限り、このテーマにあらゆる角度から迫る人生にしたいと考えています。
とはいえ、決してその道は簡単な道ではありません。
サッカーを突き詰めれば突き詰めるほど、サッカー強豪国が長い歴史の中で積み上げ、熟成させてきたものの大きさにぶち当たります。極論を言えば、僕たちはそれをまだなぞっている段階にすぎません。今、日本が試行錯誤している過程を、強豪国はもうとっくにくぐり抜けたのでしょう。
だからといって、指をくわえてその時間を待つ必要はありません。