「監督の視点」を持つ。井口資仁が「評価」のプレッシャーに負けない理由
井口資仁監督に聞く。Q5. プロ野球選手とはどんな存在であるべきだとお考えですか?
「BEST T!MES」連載30問30答、2018年最初に登場するのは2017年の雪辱を期す千葉ロッテマリーンズの新監督・井口資仁氏。人の評価がすべてを左右する世界でその「評価」をどう捉えていたのか。
ベンチから見る野球に気付かされた生き残るために欠けている視点
選手は監督から評価される立場ですからね。
もちろん、成績を残して評価してもらうのが一番。でも、数字以外にも監督から信頼される部分がなければ、例えばスランプの時にすぐに起用されなくなってしまうなんてこともある。
僕は21年の現役生活で、最後の2、3年は代打としてベンチに控えることが多かったですが、残りの期間はほとんどレギュラーとしてプレーしてきました。だから、そういうことを特別に意識していたわけではありませんけど、二軍暮らしが長いような選手たちは、「どうやったら起用してもらえるのか」という評価に対する不安だったり焦りの気持ちがあると思うんです。
昨年は、僕自身が二軍施設のある浦和で過ごすことが多かったので、二軍の選手たちと話す機会を多く持てました。どうやったら一軍に残れるか……そう悩む彼らに僕は、「もう一つのポジションをマスターしてみれば?」というアドバイスを送りました。
彼らと話していて気づいたのは、評価する側の視点……つまり監督がどういう選手を必要としているのか、という考えが少し欠けていることです。
プロの選手として、彼らが一つのポジションに拘りがあることは理解できます。でも監督にしてみれば、いろいろな守備位置を守れる選手の方が一軍のベンチに置いておきやすいのは確かです。ユーティリティ・プレーヤーがいてくれたら、チームとしての幅が広がりますからね。
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