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優秀な「後任」を育ててこそ一流のリーダー

AI時代のリーダーの原則⑦

今後AI時代に生き残るリーダーは、どのようなリーダーか? これからはますます、機械ができること、人間にしかできないことが区別されていきます。機械にもできる仕事をやっているリーダーは評価されなくなり、機械に取って代わられるのは間違いありません。私たちが仕事をする上で、「過去も現在もそして未来も変わらなく必要な能力」と、「これから必要になる能力」があります。1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた鳥原隆志氏が、新刊『AI時代のリーダーの原則』にまとめました。今回は、「これからも必要な能力」として【後任を育てる力】【人間力】【ミッション形成力】【研磨力】について述べたいと思います。

■後任を育てる力~着任した時から後任をつくる

いくら仕事は優秀でも、辞めるときにロクに「後任」を作れていないリーダーは二流だ (写真:フォトライブラリー)

 リーダーの仕事の成果は、短期的に見ればチームを使って目標達成です。

 しかし、リーダー最大の仕事は「後任づくり」です。ですから、優秀なリーダーの仕事は、そのリーダーがいなくなる時にわかります。

 自分がいなくなったら、音を立ててチームが崩れた、なんていうことはリーダーとして二流です。

 組織にいる限り、そのチームでずっとリーダーでいることはありませんし、リーダーとして引き際を考えなければならないときも来ます。その時になって自分の後任にふさわしい人がいないのでは困ります。

 だからこそ、リーダーとして着任した時から後任の育成をしなければなりません。

 帝国データバンクの調べでは売上一億円以下の企業の78パーセントが後継者がいないという驚くべき結果が出ています。

 いかに素晴らしいサービスや製品をつくって、信頼を得ていても、その人がいなくなると営業を継続できないということは、顧客に対しての裏切りと言っても過言ではないと思います。

 なかには、自分がいなくなっても代わりの人がいるとおっしゃる方もいるでしょう。

 しかし、本当にあなたの代わりとなってすぐにリーダーとして動けるのでしょうか?

 私はそう思いません。

 今まで述べたようにリーダーとしての仕事は、メンバーである限り絶対に学べません。

 だからこそ、自分がリーダーであるうちに、後任候補に仕事を任せ、経験させることです。

 上手なリーダーは本当に自分がいなくなったが周りにわからないように後任を育てます。

 後任を育てるリーダーは引継ぎも鮮やかです。なぜなら、すぐに引継ぎができるように準備がされているからです。

 あなたも今から引継ぎの準備を始めてはいかがでしょうか?

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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  • 2018.04.19