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往年のファンですら斬新さに戸惑った「20年目のAJ」【エアジョーダン秘史(20)】

1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。

NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンのシグニチャーモデルとして生まれた〈AIR JORDAN〉。誕生から30年を超え、その背景や物語を知らずにファッションアイテムの一つとして楽しむ世代も増えてきた。そんな「マイケル・ジョーダンを知らない世代」のためのエアジョーダン基礎講座として、今なお続くナンバリングを順に振り返りながら、歴史を紐解いていきたい。

第20回は、2005年発売の「AIR JORDAN 20」。
エアジョーダンシリーズの20周年アニバーサリー色が色濃いAJ。
ティンカー・ハットフィールドが久々に手腕を振るうが、斬新すぎるデザインに、誰もが戸惑ってしまう。

 

シリーズ20周年を祝った特別モデル
I.P.S.ポッドシステムが初採用される

写真を拡大 AJ19あたりから徐々に豪華仕様になる専用BOXだが、AJ20では写真のように観音開きになる仕様で、シューズは赤いネット状の袋に収納されていた。

ジョーダンが傾倒するバイクをモチーフにしたAJ

 ジョーダンシリーズ20周年のアニバサリーイヤーに、ティンカー・ハットフィールドが久々にデザインを担当したスペシャルAJ。デザインソースは'05年からスズキとレース活動を行うことになったジョーダンが傾倒するモーターサイクルがモチーフで、ご丁寧にジョーダンがこのAJでバイクを運転できるよう、つま先の内側に補強まで追加してある。
 テクノロジー面では、アウトソールI.P.S.(インディペンド・ポデュラー・サスペンション)ポッドを採用。このグリップは肉食獣の肉球のようにしなやかにコートを捉えるべく開発されたため不安の声も聞かれた。加えてミニマルでメタリックなアッパー、レーザーで描かれた記念グラフィック、完全に独立分離したアンクルストラップなど、斬新すぎるデザインは街履きでもオンコートでも好き嫌いがハッキリ分かれた。だが一方で、ハマるファンには熱狂的に受け入れられた衝撃作でもある。

 

これがバッシュ?斬新なデザインに話題が集中した

写真を拡大 今見ても、なかなかエキセントリックなデザイン。

 メタリックな外観だが、有機的なデザイン。ローカットのようだけど、アンクルストラップは存在するーーこれまでさまざまなハイテクバッシュを見てきたファンでさえ、AJ20には戸惑った。基本的には'90年代クロトレの「エアカー二バル」の文法をなぞったような不思議なデザインだ。

レーザーグラフィックの都市限定モデルも目玉に

写真を拡大 アイコニックなシューレースストッパーがその特異性を強調している。

 もともとローカットのようなシルエットを持つAJ20。レギュラーの3色がリリースされた後は、ハデなレーザーグラフィックをアッパー全面に施した3都市限定モデルが追加される他、バリエ自体は少ない。
 とにかくアニバーサリー色が濃いAJ20。5都市限定で展開されたカラーにはシューレースストッパーにその都市を表現するアイコンが型押しされるなど、ディテールにも凝りまくった。アイコン性の高いシリーズだ。

*参考文献『スニーカーJack Premium「まるごと1冊エアジョーダン23周年』(小社刊)

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