「格差」と「レベルアップ」。大西将太郎が見た平成最後の花園
1回戦から解説を続ける大西将太郎さんに聞く。注目選手も!
■各都道府県の格差が大きくなってきた
まず全体的な流れですが、各都道府県の差が大きくなっているなという印象です。これは高校野球でも言われていることですが、少子高齢化の流れもあり、強豪チームに人が集中してきている。他の都道府県にいい選手がいても、強豪チームにいってしまう。今日(12月30日)からシード校が登場しましたが、大差※1の試合が目立ちました。当然、強いからシードされているわけですが、1回戦を勝ち上がったチームとの差は予想以上に大きかった。
※1 主なシード校の戦い。左側がシード校。東福岡69-3関商工 長崎北陽台71-0鹿児島実 大阪桐蔭86-7土佐塾 常翔学園67-0桐生第一 桐蔭学園67-7大分舞鶴 流通経済大柏53-0早稲田実 など
ただ非シード校の中でも、愛媛の新田などは非常にいいラグビーをしていた。個人的に四国ラグビーの発展は今後の日本ラグビーにとっても重要だと思っています。なにかお手伝いができないかと考えているのですが。
■20年前からレベルアップした点
選手のプレー、試合のレベルはぼくが花園でプレーしていた※2、20年前と比べて確実に上がっています。要因はフィジカル。フィジカルが強くなったので、コンタクトやディフェンスの圧力が増し、キックの飛距離が伸び、ランスピードが速くなり…と、試合全体のレベルが上がりました。
※2 花園優勝7回、準優勝3回を誇る大阪の名門啓光学園(現:常翔啓光学園)出身。現役時代花園に3年連続出場し、3年時に準優勝を経験。
もうひとつは、選手たちが「世界を見ている」ということでしょうか。ぼくらの頃は、海外の試合を見る機会は、NHKでのW杯放送か、海外から取り寄せた映像があるぐらい。それが今や、携帯があればテストマッチやスーパーラグビーのハイレベルな試合を見れる時代です。世界との距離が近くなり、目標も世界になりました。「将来日本代表になって海外のチームと試合がしたい」と願う選手も増えている。「花園出場」「花園優勝」を目指しながら、そこで終わらずに新しいものにチャレンジするという時代になっていますね。
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