創部3年目でニューヨーク「伝説の舞台」へ! 三重高校ダンス部「夢」の挑戦!!
◆西野カナさんと同級生の顧問がはじめたダンス部
世界を変えるのは、いつも一人の人間の折れない心と秘めた情熱、時には「バカ」と言われてもめげずに何度も失敗しながら、しかし、「確実に大きな一歩」を前進させる大きな行動力からだ。そんな一人の人間の行動力から新しい伝説を次々に生み出している部活動を紹介したい。
高校ダンス部界ではバブリーダンスの大阪府立登美丘高校が有名だが、圧倒的なエネルギーをもって「謎の勢い」を表現するチームがあることはご存知だろうか。三重県松阪市にある三重高校。そのダンス部は、校訓の「真剣味」を由来とする「SERIOUS FLAVOR(シリアスフレーバー)」をクラブ名に創部3年目で数々のダンス全国大会で好成績を収め、地元では「シリフレ」の愛称で呼ばれ、多くのファンに応援されている。
シリフレの創部は2017年の4月。部の歴史は浅いが、もともと同校OBで、同校の現「数学・情報教諭」の神田橋純さんが、遡ること約13年前に「同好会」として発足したのが始まりであった。2014年に母校に教諭として着任後、同好会の顧問に就任。ダンス部に昇格後、17年夏には「DCC(第5回全国高校ダンス部選手権)」で準優勝になることをきっかけに多くのメディアに出演。同校OGで神田橋さんと同級生の西野カナさんと『MUSIC STATION』(テレビ朝日)での生出演コラボをするなど、「ダンスをとことん楽しむ」をモットーに活躍を見せている。そのほかにも「DREAMS COME TRUE(ドリカム)」のライブに参加したり、ピコ太郎とのMVに出演したりと着実にダンス部の実力とは年々うなぎ登りに上がってきている。
しかし、シリフレの勢いはそこまででとどまらない。神田橋さんの指導の熱量と生徒たちの情熱が交歓し、新たなデカい「夢」をまさにドリカム(実現)するべく描きはじめたのである。
◆「三重から世界へ!」の挑戦プロジェクト
それは、ニューヨーク「アポロシアター・アマチュアナイト」、“伝説”の舞台を目指す夢である。ジェームズ・ブラウン、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーなど名だたるアーティストを輩出している、世界中のパフォーマーの聖地でありエンターテインメントの殿堂である「アマチュアナイト」に挑戦し、勝ち上がることを目標としている。
彼らの夢は、三重県主催の「第2回みえの子ども『夢☆実☆現』応援プロジェクト」にも企画が採択され、公認の「夢」として、本年3月の本番を目指し日々「楽しみながらも、真剣に」夢の実現に邁進している。
しかし、この途方もない夢の実現には、「挑戦費用」の捻出という現実がのしかかる。そこで神田橋先生をはじめとするシリフレは「自分たち」でクラウドファンディングの実施を立ち上げることとしたのである。
目標金額は、1000万円。その費用は渡航費用がほぼ占めることとなる。先日、1月5日にはクラウドファンディング支援イベントも開催。返礼品として同校ダンス部の記念タオル、ステッカー、サンクス動画DVD「NY挑戦」とエンドロールでのクレジット表記、また来る3月8日に開催される自主公演でのVIP席ご招待などがある。募集期限は1月30日まで。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」(サイト内「三重高校ダンス部」検索)で申し込める。
「『無理だ!』と言って現実を教える大人も必要だと思いますが、『やってみなさい』と背中を押してあげる大人たちがもっといてもいいのではないかと思います」(神田橋さん)
若者は未来の社会を担う「将来の大人」でもある。大きな夢をもって世界へ挑戦するプロセスこそ感動体験として彼らが社会人となった時、次世代の若者の夢挑戦の支援する側へ回ることもできる。またこうした感動体験の記憶、世代にわたる「つながり」こそ人が織りなす社会を豊かにする要因の一つとなるだろう。
今回の三重高校ダンス部によるニューヨークの伝説の舞台への挑戦。「志」というものが自分一人ではなく周りの協力があった時、強大な力となることを若者たちが身をもって体験できる絶好の機会でもあり、今の時代、ネットの活用でどれだけの夢が実現できるのか、シリフレの挑戦が新たな歴史を開くことになるかもしれない。
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●シリフレ(三重高校ダンス部)の活動がわかるのは
『ダンスク!』編集長・石原久佳氏の著作