足を燃やして治療する伝統医療【ヤムカン】で神秘体験 ~燃える足マッサージの魅力~
ヨガトラベラー・土屋愛が世界から発信するウェルネスやスピリチュアル、そして人生のこと⑦
■セラピストの減少で今や貴重な伝統医療
みなさん、こんにちは。ヨガトラベラーの土屋愛です。
末端まで冷え込んでしまう寒い時期にもってこいのマッサージをチェンマイ東部で見つけました。このマッサージは、英語圏では Fire Foot Massage(燃える足マッサージ)と呼ばれる【ヤムカン】というランナー伝統医療の一つです。
年々タイ国内でも施術できるセラピストが減り、見つけるのがとても大変になってきたヤムカン。今回は特別に私もマッサージをやらせて頂く事ができました。足を燃やしながらマッサージをして得た【気付き】と【ヤムカンの起源や効果】をお伝えしていきます。
■ランナー王国発祥【ヤムカン】の歴史
ヤムカンは、13~18世紀にチェンマイを中心にビルマ、ラオスにかけて存在したランナー王国の伝統医療です。ランナー王国は、約70もの民族の集まりで建国されていましたが、王国の終了と共に多くの民族は絶滅してしまいました。従って、ヤムカンはタイ北部のチェンマイ・チェンライでしか見つける事が出来ず、その地域の中でも探すのが難しくなってきています。
今回は、チェンマイ市内から東へ車で40分ほど行ったところにあるWat Pa Tan(ワット・パ・タン)寺院にお邪魔させて頂きました。このお寺は、Chaao Yong(チャーオ・ヨン)という民族の文化を継承している寺院です。
■ヤムカンの技法
燃える足マッサージと呼ばれるのは、この炭の上で温められた、というより燃やされている“鋤(すき)”が関係しています。施術者はプライオイルと呼ばれるハーブやスパイスを混ぜたオイルを足の裏に塗り、この燃えている鋤の上で温めた後、その足裏で患者の患部にマッサージしながら塗り込んでいきます。この行為を繰り返すことで、まずはプライオイルをしっかり浸透させるのです。
その後、プライオイルからウイスキーとセサミオイルを混ぜたオイルに切り替え、再度足裏に塗った後、プライオイルの時と同様に鋤で足裏を温めます。プライオイルの時も鋤はすでに燃えているのですが、その時とは違って大きな炎が上がります。この足を置いた瞬間に炎が大きく燃え上がる光景から、“燃える足マッサージ”と呼ばれるようになったのです。
■炎が上がるまで鋤を燃やさなければならない理由
施術前に、鋤の温度を何度も確かめていた先生。なぜ炎が出るほど熱くしなければならないのでしょうか?
・よりハーブを浸透させるため?
・温度を上げるほど筋肉が緩むから?
その答えを聞いて驚いたのですが、なんとこのマッサージの一番の目的は、熱せられた鋤から得られるミネラル成分をマッサージと共に患部に吸収させる事だそうです。鉄から得られるミネラル成分が怪我や痛みを取り除くと信じられているようで、ミネラル成分をより吸収するためにも熱くしなければならないのです。
率直な感想として、「そこ⁉」と思ってしまいました。というのも、皆さんにも以前のリトリートの記事でも紹介させて頂いた「五大元素の理論」を覚えていらっしゃいますか?
その中の「火」の要素を全面的に使っている施術なので、より熱くする事で火の性質である「燃え尽くして変換させる」という働きを利用する為だと思ったのです。
紙を火で燃やすと塵になるように、火には物を瞬間的にトランスフォームさせる力があります。例えば、鍼灸の治療は「火」の要素だと信じられていて、チクっとするけど、効果は瞬間的に感じる事が出来ますよね。
このヤムカンもそういうアプローチだと想像していたのですが、まさかのミネラル成分だったのです! これだから伝統医療って面白い。
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【 燃える足マッサージで精神統一してみた(Firefoot Massage) 】
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