素晴らしき一週間が終わる
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記<8>
「連投いけそうですか?」コーチの一言で気付いたトライアウトの意義
【編集部よりお詫び】
更新が1日遅れてしまいました。お詫び申し上げます。次回以降は通常どおり木曜日に更新いたします。
更新が1日遅れてしまいました。お詫び申し上げます。次回以降は通常どおり木曜日に更新いたします。
開幕まであと一週間となった。
オープン戦はまだ一試合だけの登板。チームに貢献できるよう頑張ります。
そして今日でトライアウトのお話も終わりです!
絶対に投げるという覚悟
トライアウト、泣いても笑っても最後の一日。
このメンバーで行う野球の最後だ――その現実が強い決意を僕の心のなかに生んでいた。
「今日はなにが何でも絶対に投げる」
体は悔しいくらいボロボロだった。それまでの6日間、怪我をしたら元も子もないと思っていたから、自分の体と相談して投げられるのか、投げられないのか、を判断していた。
でも、この日だけは違った。
投げなきゃ後悔する。そんな感覚があったのだ。
アップの前のミーティングで投げることを志願し、中盤の1イニングを任されることになった。
思うように動かない体を動かし、キャッチボールをしていた、そのとき。
最終日ということで、各チームの監督やコーチ、球団首脳陣が香川に集まっていたのだけれど、そのなかで愛媛マンダリンパイレーツの加藤投手コーチが僕のところまでやってきて、声を掛けてくれた。
「どう? 連投とかいけそう?」
これから始まる試合と、言うことの聞かない体への不安を拭いたいという思いばかりに必死になっていた僕は、唐突に投げかけられた質問に戸惑った。
「え……」
そして、正直に告白した。
「いや情けないんですけど、もう体がパンパンです。必死にやってなんとかここまでやってきている感じです」