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無線電信機、海底ケーブルetc
情報戦を支えた日本の最新技術

日本海海戦と東郷平八郎 第7回

 日本海海戦は情報戦の勝利でもあった。秋山真之が上申して実現した三六式無線電信機は世界トップレベルの通信力を誇り、バルチック艦隊の発見報告や戦闘中の状況把握などに威力を発揮した。

 また、国際電報用の海底ケーブルが敷設されるなか、日本軍は独自の軍用水底(海底)線を日本海に敷設し、無線、海底ケーブル、地上有線を使った画期的な情報ネットワークを構築。朝鮮半島などからの電信が対馬経由で大本営へ送られた。秋山の「本日天気晴朗ナレドモ…」の有名な電文も鎮海の仮設電信局から海底ケーブルを利用して送られた。

 このほか海軍の宮原二郎が開発した宮原式汽缶(新型ボイラー)は軍艦の馬力を高めた。秋山は「日本海海戦は最初の30分で勝負が決まった。しかし、その30分のために10年の準備がいる」と語っているが、日本の技術の粋もまた、この30分のために用意されたのである。

 

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松田 十刻

まつだ じゅっこく

1955年、岩手県生まれ。立教大学文学部卒業。盛岡タイムス、岩手日日新聞記者、「地方公論」編集人を経て執筆活動に入る。著書に「紫電改よ、永遠なれ」(新人物文庫)、「山口多聞」(光人社)、「撃墜王坂井三郎」(PHP文庫)など。


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