青森県八戸市「八戸えんぶり」
凍てつく大地を摺り、春を目覚めさせる
烏帽子をかぶった踊り手が、勇壮に舞う! 八戸の冬のまつり。
小正月を過ぎると春を呼ぶ行事が各地で行われる。
「八戸えんぶり」は八戸市とその周辺でおこなわれている田遊び。衣装と舞が独特だ。えんぶりとは農具に使う「えぶり棒」のことで舞は「摺り」と呼ばれ、えぶり棒で地面を摺るように舞う。稲作の一連の所作を行い、代かきから米俵を積み上げるところまでを摺りで表す。摺りの間には、子供たちによる祝福芸が行われる。
2月17日朝7時に長者山新羅神社にえんぶりを奉納することから祭りは始まるが、先着順で早く奉納するほど名誉があるというので3~4日前からえんぶりの組が境内に陣取る。奉納に先がけて夜中0時に順番を書いた仮札というのが渡される。今年は32組が奉納した。
朝7時からの奉納。組は太夫と呼ばれる3人~5人の舞い手、祝福芸の子供たち、お囃子の演奏者たちで構成される。