リーダーこそ手抜きの達人であるべき
「手抜き力」を鍛えてメリハリーマンを目指す!(2)
■リーダーは率先してチーム内の「ムダ」をなくしていくべき
現場の人たちは、効率的に仕事を回したいが、上司がなかなかそれをさせてくれない、という場合もあるだろう。部下が定時で帰るのを快く思わない上司というのもまだまだ少なくない。しかし齋藤氏は、そもそもその考え方に疑問を呈す。
「仕事ができる人とは、たくさん仕事をする人ではありません。長く仕事をしている人のことでもありません。要領よく仕事をこなしていける人のことです」
そのためにも、まずはリーダーこそ「手抜き力」の達人であるべきだという。チームのリーダーは、いかに組織全体のムダを削ぎ落とし、効率よく結果を出しながら動かしていくか、という視点が常に必要なのだ。
そこでリーダーが心に留めておきたい「手抜き力」のテクニックをいくつか紹介しよう。
1 会議のあり方を変える
ひとつめは前回の記事でも触れた「会議のあり方」。特に議題もないのにとりあえずみんなが集まる定例会議はやめてみる。また議題がある会議を開く場合でも「今日はこれとこれを決めます」と宣言して、必要な事柄を片っ端から決めていき、「後日持ち越し」もなくす。
「会議のシンプル化に取り組むのは、会議を招集するリーダーの大切な責務なのです」。
2 「ハーフタイム力」を磨く
もうひとつは「ハーフタイムという発想」だ。
サッカー観戦好きの齋藤氏は、チームの監督の良し悪しを前半と後半の違いで見極めるという。
「前半の試合状況を見ていて、これはムダだったというプレーを見つけて、選手にそれを提示し、必要なプレーだけを指示する。モチベーションが上がらない選手はバッサリと交代させる。そうすると後半は見違えるようにプレーがよくなるんです」
前後半の間に的確な指示をできるか否かを監督の資質を見分けるポイントだということだ。この考え方は日常のビジネスシーンでもいかせる。
仕事でも、途中で「ハーフタイム」をつくって、そこまでの仕事にムダがないか検証する。流れを邪魔しているものがあれば取り除く。いちいち仕事を止めて指示を出すのも、最初に決めたやり方をダラダラと最後まで引きずるのも、ともにムダが生まれやすい。
「まず最初に決めた戦術と布陣で全体の1~2割まで仕事を進めてみる。そこで一度立ち止まって自省することが必要なんです」
これを繰り返すことで、みんながムダを省くという意識を共有できて、チーム全体の「手抜き力」がアップするのだ。