「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。
メディアをやっていることが人脈を作ることでもある
勉強会となどに誘われた時にはあまり断らないようにしています。あとは、自分が今まで関わらなかった業界から仕事のオファーが来たときは、多少お金やスケジュールが厳しくても、なるべく受け入れるようにしていますね。どこに面白いネタが転がっているのかわからないので、メディアの人間として意図的にやっていますね。
こういう仕事をしていると、ほんとうにすごい人脈を持っている人ってたまに出会うんですが、そういう人はかなり具体的にこの人とこの人をつなぐと、こんなシナジーが生まれるんじゃないか、というところまで考えている。Facebookの「友達」に有名人や業界のキーマンを並べて喜んでいる人と、彼ら本物のカタリストの違いはそこですね。僕もその次元に行けるように、修行しています。
ただ、本当はメディアをやっていること自体が人脈を作ることでもあるんですよ。だから僕はカタリストを目指すのではなくて、なんというか、PLANETSというメディアに関わっていると自然と人間同士の掛け算ができていくような、そんな生態系をつくれたらいいなって思っています。そういうやり方のほうが僕には向いていると思うので。
〈明日の質問は…… Q15.「30代から新しいことを始めるためには?」です。〉
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宇野常寛・著『母性のディストピア』
宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?
宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?
『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。