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高級住宅地・成城学園で見つけたレアな“英語”標識とは?

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第13回:英語入り「徐行」標識にまつわる事情

ドライバーを除いては、ほとんどの人が意識をすることがないであろう「道路標識」。だが日本全国には、知られざる奇妙珍妙な道路標識があった! マニアでなくともニヤニヤせずにはいられない、奥深い世界をご堪能あれ。

 さて以前の本連載で、外国からの来訪者増加に対応するため、「一時停止」と「徐行」の標識に英語(それぞれ「STOP」と「SLOW」)の文字が入った新標識が登場したと書いた。2017年7月より、既存のものは新タイプに順次入れ替えられることになっている。

 

 

「一時停止」と「徐行」標識の新旧デザイン

 そちらでも取り上げた通り、「STOP」の文字が入った「一時停止」標識は少しずつ設置が始まり、都内などではちょいちょい見かけるようになってきた。だが標識コレクターとして問題なのは、もう一方の「徐行」の方である。実はこれが、現段階では激レアの標識なのだ。

「一時停止」の標識は、全国に約170万枚設置されているという。路地から大通りに出るところなどにはたいていこの標識があるから、おそらく最も設置数が多い部類の標識だろう。ところが「徐行」の標識は、全国で約1000枚しかない。新型標識以前に、もともとの「徐行」標識自体がかなりのレア物件なのである。

 印象としては「徐行」標識はさほど少なくはなく、ちょいちょい見かけている気がする。だがこれは、ショッピングモールの駐車場などに設置されているものを見ているせいだろう。当然ながら、これらは公安委員会や道路管理者が設置した、正規の道路標識ではない。

写真を拡大 東工大の構内にあった非正規の徐行標識

 では「徐行」標識はどういう時に設置するかというと、「車両等が直ちに停止することができる速度に制限する」もので、幼稚園、小学校、病院等が沿道にある場所、カーブや急な坂道などが対象となっている。

 
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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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