差別には金で立ち向かえ!藤田田がユダヤ人に惚れ込んだ理由
復刊がベストセラー『ユダヤの商法』より #5
「大阪弁というどうにもならないもののために、大阪の人間はユダヤ人と同じように、生まれながらにして、差別されているのである。その差別をはね返そうとするところから、大阪の人間には東京人にないド根性が備わっているといえる」と語った日本マクドナルド創業者の藤田田。その根底にある差別体験とコンプレックスがユダヤ人とつながった。復刊がベストセラーになっている『ユダヤの商法』(KKベストセラーズ)で、なぜ藤田田がユダヤ人にかくも惚れ込んだのか、その理由が記されている。(「ユダヤの商法」シリーズ#5 / #1 #2 #3 #4 #6を読む)
■「ジュウ!」と呼ばれる連中
私がユダヤ人に興味を抱くようになったのは、昭和24(1949)年に、当時、皇居前の第一生命ビルにあった、連合国軍最高司令官総司令部(General Headquarters)にアルバイトの通訳として勤めるようになってからである。
G・H・Qに勤めるようになって、私は奇妙な連中に気がついた。
将校でもないくせに、日本の女を専属(オンリー)にし、車を乗りまわして、将校以上の贅沢な生活をしている兵隊の存在である。
「一兵卒のくせに、どうして彼だけが優雅な生活をしているのだろう」
私は、贅沢な生活をしている兵隊たちを、それとなく観察しはじめた。
不思議なことに、そんな連中は、同じ白人でありながら、軍の中でも軽蔑され、嫌われているのである。
「ジュウ!」
彼らを蔭で呼ぶ時、兵隊たちは憎々しげに、吐き捨てるような調子でこういう。
「ジュウ」──〝Jew〟は、英語で「ユダヤ人」という単語である。
面白いことに、大多数のGI(ジーアイ)たちは、ユダヤ人を軽蔑しながら、ユダヤ人にまったく頭が上がらないのだった。ユダヤ人のGIは、遊び好きの戦友たちに金を貸し、高利を取った上に、給料日には厳しく取り立てるのだった。GIたちが、ユダヤ人に頭が上がらない理由もそこにあった。
軽蔑されながらも、ユダヤ人はケロリとしていた。くよくよするどころか、逆に、そういった軽蔑してくる輩に金を貸し、金銭で実質的には征服しているのである。差別されながらも愚痴ひとつこぼさずに強く生きていくユダヤ人に、いつの間にか、私は親近感さえ抱くようになっていた。そして、ユダヤ人を敬遠するどころか、彼らに自分の方から近づいていったのである。
KEYWORDS:
✴︎KKベストセラーズ 名著シリーズ✴︎
藤田田著シリーズ累計105万部突破
『ユダヤの商法 世界経済を動かす』
日本マクドナルド創業者・藤田田幻の名著復活!
ユダヤ商法の定石さえ守れば、金儲けなんか誰でもできる
巨万の富を築きたい人必読!
多くの経営者に影響を与えた大ベストセラー
幻の名著復活
私はあなたに巨億の富を保証する
ユダヤ商法の「定石」こそ金儲けのノウハウ
『ユダヤの商法 世界経済を動かす』総計240刷、82万7000部。
あの伝説のベストセラーが今ここによみがえる。
どうすれば金持ちになれるのか。その答えは世界の巨富を一手に集めるユダヤ商法の「定石」にあった。「定石」とは何か。それは、「銀座のユダヤ人」と呼ばれた著者が勝ち得た金持ちになるための原理原則。
全世界でいまだに通用する唯一の「商法」である。「定石」さえ守れば、金儲けなんか誰でもできる——本書は、夢を抱き、巨万の富を築き、新しい未来を自らつくりたいと望む若者やビジネスマンには必読のノウハウだ。
1972年5月刊行初版本を底本に、新装版としてここに読者待望の復刊!
目次
Part1 これがユダヤ商法だ
Part2 私自身のユダヤ商法
Part3 ユダヤ商法のバックボーン
Part4 銀座のユダヤ人語録
Part5 「円」を扱うユダヤ商法
Part6 ユダヤ商法とハンバーガー