《御岳登山鉄道》私を滝行(たきぎょう)へ連れてって♡中編【女子鉄ひとりたび】11番線
鉄道には夢がある。いや夢しかない。この赤い糸が、あなたにつながりますように。~裕子~
元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。青春18きっぷを使って、JR青梅線の各駅停車をエンジョイするという今回の旅。一番の目的は若い女性の間でブームになっているという「滝行」であるが、果たして…?
■なにかを清めるために女は滝行を目指す!?
まず白丸(しろまる)駅で降りて、歩いて20分の「白丸ダム魚道(ぎょどう)」へ行く。ここはダム建設によって川を往来できなくなった魚のために設けられた「魚専用の水路」で、入口から水路までは螺旋状(らせんじょう)の階段を降りる必要がある。
この螺旋階段は大きく弧を描くようにねじれていて、上から見下ろすと芸術作品のようで美しい。
下まで降りると、ザーッと流れる水の音しか聞こえないトンネルにたどり着く。水路は幅1メートル未満で、アユやヤマメが見える。魚が泳ぎ疲れたときの休憩スペースもあって、なんとも魚ファーストの見ごたえある施設だった。
次に二俣尾(ふたまたお)駅で下車。この駅は委託駅で窓口が営業するのは13〜15時(夏は16時)と短い。
駅員さんはJRの社員ではなく、出札業務のみを請け負っている。ここに来た理由は、この駅の〝幻のスタンプ〞を押すためだ。窓口が開いているときにしか押すことができないため、鉄道ファンの間でこう呼ばれるようになった。
ちょうど窓口のシャッターが開いて、首尾よくゲットできた。今日は幸先がいい。さあ、満を持して、御岳ケーブルへ。
御岳山は江戸時代から「おいぬ様」信仰の地であることから、ペットのワンちゃんと入山ができる。そのため御岳ケーブルにも130円の犬用乗車券があって、ご主人さまと一緒に改札前にワンちゃんも並んでいた。
この年の夏は、猛暑を超えて酷暑と呼ばれていたのに、御岳山駅周辺は天然クーラーで快適。いつものケーブルカー乗り鉄では、目下に広がる景色を眺めてすぐ下山となるのに、今日はここで1泊できる。気持ちに余裕があるからか、景色もゆったりとして見えた。
予約した滝行付き宿坊「駒鳥山荘(こまどりさんそう)」に入る。男女別の大部屋に通されて、旅装を解いた。
この日の参加者9名のうち、6人が女性のひとり参加で驚いた。私以外にも「楽しそうだから滝行をやってみたい」と思う女性が、世の中にこんなにもいたなんてと嬉しくなり話しかけると、
「離婚してずっと引きこもっていたけど、ここから前に進みたくて来た」
「過去をリセットするため、身を清めに参加した」
と、深刻な参加理由が返ってきた。
「人生で1回やってみたかった」というお気楽な理由で来た私は、ただただ圧倒される。
夕食の精進料理は質素なものをイメージしていたのに、焼き魚・出し巻卵・煮物など14品が並び、とても美味しく豪華。お酒を注文することもできるとは。明日のために全員で祈禱をして、早めに就寝する。
(12番線へ続く)
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■「女子鉄ひとりたび」出版記念イベント・レポート【その⑧】
サプライズゲストあり~の、裕子さんのビンタあり~の、裕子さんとの2ショット撮影会あり~の、イベントはあっという間に終了時間。
ラストに参加者の皆さんで記念撮影!
「また読者の皆さんとお会いできる日を楽しみにしています」(裕子・談)
開催:大阪 2020年1月13日 旭屋書店なんばCITY店 特設イベントスペース
■水間鉄道に「女子鉄ひとりたび」ヘッドマーク電車が走った!
掲出日程:2020年1月11日~1月20日(10日間)
掲出車両:1003(青ライン/貝塚駅側)
走行日:1月15、16、18、19、20日