鉄道の無い人生なんて、人生損してませんか?【女子鉄ひとりたび】17番線
番外編「未発表」コラム三号が発車進行!
元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。今回、ハードな旅のレポートはちょいとお休みしての番外編。ふだんファンに囲まれている時は気が付きませんが、「鉄道」に全く興味のない人も、世間には数多く存在することを忘れてはいけません。タレント活動を通じて思いがけず出会った「鉄分薄めな人たち」との、仰天エピソードを公開しちゃいます。
■アンチ鉄とのカルチャーショック
ある程度の鉄道知識を持って仕事をしていると、鉄道に詳しくない方と同行したとき、いろいろと驚くことがある。
真冬に会津(あいづ)鉄道で旅番組を収録した際に、担当ADさんが駅弁を買いに行ったまま、消えてしまったことがあった。
鉄道、特に旅ものの撮影は、当日の天候、列車の運転状況、混雑具合などによって臨機応変な対応が求められる。そのため現場の負担はかなり重い。このADさんは入社間もないこともあり、途中でパニック状態になってしまった。予想以上に辛い現場から逃げたくなったのだろう。
会津若松(あいづわかまつ)駅で駅弁を買ったあと、たまたま目の前に止まっていた只見(ただみ)線の列車に飛び乗ってしまったのだ。
ADさんの鉄道知識は皆無で、只見線は日本有数の豪雪地帯を走る路線であることも、列車本数が極端に少ないことも知らなかった。
結局、雪の降りしきる途中駅で一人途方に暮れていたところを、警察の方に保護され無事に生還したのだった。
磐越西線の観光列車「フルーティアふくしま」を行程に組み込んだファンツアーを催行したときは、当時のマネージャーが本来下車すべき駅で一人だけ乗り越してしまったこともあった。
このマネージャー、敏腕でミスの少ないジェネラリスト。そのため、鉄道ファンである参加者全員が驚いた。
幸い、すぐに折り返しの列車があったため事なきを得たが、ローカル線では鉄道知識の有無がハプニングを起こすとカルチャーショックを受けた。
ある番組で抜き打ちクイズを出題されて困惑したこともあった。線路の石を取り出し、
「このバラストはどこの路線のものでしょう?」と聞かれた。 おそらくそれは、地質学者でも答えられないように思う。
でもその視点は斬新さがあって、とても面白い。私がすっかり失くしてしまった鉄道への初心に立ち返らせてくれる。だからマネージャーにはいつも「鉄道の勉強はしないで下さい」とお願いする。
そのほうが、突拍子もない視点を知れて勉強になるからだ。
(18番線へ続く)
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■な、なんとこの夏も、水間鉄道に「女子鉄ひとりたび」ヘッドマーク電車が走った!
掲出日程:2020年8月11日~8月20日(10日間)
掲出車両:1003(青ライン/貝塚駅側)
走行日:8月11、12、13、16、17日
■「女子鉄ひとりたび」サイン本は完売! ブロマイド付は発売中!
イベント当日に来られなかった人のために、木村裕子さんが心を込めて、一冊一冊にサインを入れた本。
2019年の年末に限定部数で販売されていましたが、速攻で完売御礼!
なお3種類の「オリジナル・ブロマイドつき」の本は今も販売中ですので、お早く以下の書店へどうぞ。
販売場所:
書泉グランデ 6F鉄道コーナー
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3-2
書泉ブックタワー 5F鉄道コーナー
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1丁目11-1