【青森「地名」ケンミン性】「青々とした松に覆われた丘」が由来。弘前藩と盛岡藩の長年の対立の結果・・・《47都道府県「地名の謎」》 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【青森「地名」ケンミン性】「青々とした松に覆われた丘」が由来。弘前藩と盛岡藩の長年の対立の結果・・・《47都道府県「地名の謎」》

【全国地名由来辞典】県や町の名前から郷土のドラマをひもとこう!_青森県


 日本の地名は世界でも稀に見るほどバリエーションが豊富。
 地名の由来を探ると、多様な地形、自然を愛でる表現性、ふるさとを思う民俗性など、この国の原点が見えてくる。
 読者のみなさんの故郷はどちらですか? 地名は・・・
 日本人ならなぜか初対面でも話が弾む出身地・県民性・そして地名雑学‼️
 ようこそ! 地名の奥深い世界へ‼️


■「弘前」と「盛岡」の中庸

青森、弘前と並ぶ青森三大佞武多のひとつ「五所川原立佞武多祭り」。最大20mの山車の壮大な運行が魅力。

 


《青森県の由来》 青々とした松に覆われた丘

 かつて沿岸部には松に覆われた小高い丘があり、そこが古くから「青森」と呼ばれていたことに由来する。湊町としての「青森」が誕生したのは寛永2(1625)年のことで、弘前藩第2代藩主・津軽信枚(つがる・のぶひら)が整備したことに始まる。県名が成立した背景には、現在の青森県に領地をもっていた弘前藩と盛岡藩の長年の対立があり、この関係を少しでも緩和するため、あえて弘前ではなく盛岡に近い「青森」に県庁所在地を置いたとされる。


 

《地名の由来》

◉浅虫(あさむし):「麻蒸」が「浅虫」に

 かつてこの地で「麻を蒸した」ことに由来。伝承によると、里中に煮え返る温泉があり、ここで麻を蒸すことを「麻蒸」といったが、「蒸」という字が火災を連想させることから、近世になって「浅虫」に改称したとされる。

◉五所川原(ごしょがわら):新たにできた5つの村

 『平山日記』によれば、寛文年間(1661~73)岩木川が屈折したことで5つの村ができたことに由来。また、南朝の長慶天皇ゆかりの社の御神体が流れ着いたことから、古くは「御所川原」だったともいわれる。

◉八甲田(はっこうだ):山々の姿から連想

 8つの山々の間に湿地が点在していることに由来。また、その姿が8本の指を立てているように見えたことから「八甲田」とも。『津軽一統志』によれば、古くは「糠壇(こうだん)の岳」と称され「八耕田山」とも書いた。

◉弘前(ひろさき):天海僧正が命名か

 『三才図絵』によると、古くは「広崎」と呼ばれた。その後、一帯は「高岡」と呼ばれるようになったが、2代藩主・津軽信枚が「弘前」と改名した。また、命名したのは、信枚が帰依していた天海僧正といわれている。

■恐山もアイヌ語だった?

北海道以外にも残るアイヌ語由来の地名
  日本三大霊場のひとつに数えられる「恐山」の地名は、「 宇う曾そ利り山やま」という別名が転訛したものだが、そもそも「うそり」とはアイヌ語の「ウソ・ル(入り江の内)」に由来する。 ほかにも「竜飛崎」は「タム・パ(刀の上端)」、「野辺地」は「ヌップペッ(野を流れる川)」など、アイヌ語からきた地名が残る。

本来は〝ウソリ山〟!?イタコの口寄せなどで有名な恐山

(2020年一個人5月号から

 

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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