【山手線「地名」トリビア】49年ぶり新駅「高輪 ゲートウェイ」の「ゲートウェイ」の由来は江戸時代だった!《47都道府県「地名の謎」》
【全国地名由来辞典】県や町の名前から郷土のドラマをひもとこう!_都道府県 地名由来百科コラム
日本の地名は世界でも稀に見るほどバリエーションが豊富。
地名の由来を探ると、多様な地形、自然を愛でる表現性、ふるさとを思う民俗性など、この国の原点が見えてくる。
読者のみなさんの故郷はどちらですか? 地名は・・・?
日本人ならなぜか初対面でも話が弾む出身地・県民性・そして地名雑学‼️
ようこそ! 地名の奥深い世界へ‼️
■東京を走る環状路線、約50年ぶりに新駅登場
2020年の3月に新駅「高輪ゲートウェイ」駅が開通した山手線。
昭和46年(1971年)に西日暮里駅が開業して以来、49年ぶりとなり、全部で30駅となった。駅名はその地域の地名にちなむものが多いが、特にユニークな由来を持つものをピックアップする。
●《NEW》高輪ゲートウェイ
「ゲートウェイ」って何?
2020年3月に開業した「高輪ゲートウェイ」駅。駅名は公募で「高輪」が1位を獲得。かつてこの地が江戸の玄関口「大木戸」として賑わいを見せたこと、過去と未来、日本と世界など多くの人々をつなぐ接点として、街全体の発展につながるようにとの願いが込められ、「ゲートウェイ」が追加された。
●日暮里
「新堀(にいほり)」から「日暮らしの里」へ
16世紀の北条氏の家臣、遠山弥九郎が「新堀」を築いたことによる。江戸時代には「新堀村」だったのが、この山一帯の風景があまりにも美しかったため、「日暮里」という表記が広がり、「日暮らしの里」と呼ばれるように(【注】「ヌプリ=山」というアイヌ語説もあり)。
ちなみに「谷根千」は谷中、根津、千駄木を省略したものだが、谷中は谷の中、根津は本郷台地の根、千駄木は多くの木材を出したことに由来する。
●大塚
大塚と滝沢馬琴の意外な関係
先史時代の古墳があったことから「大塚」の地名で呼ばれたが、本来は東京メトロ「茗荷谷」駅の近くだった。
さらに滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』に出てくる「大塚の里」はこの地であったという。結城の戦いに出向いた犬塚番作が大塚の里に戻ってきたとき、すでに家督を奪われていたため、大塚に変えたのだという。その息子が主人のひとり、犬塚信乃である。
●高田馬場
本当は「戸塚」だった?
「馬場」とは馬術訓練場のことで、今の早稲田大学の裏手に続く台地にあった。それが高い場所だったので「高田馬場(たかたのばば)」となった。高田馬場駅が開業した明治43年(1910年)、当初は地元の地名にちなんで「戸塚」駅にしようとしたが、すでに神奈川県にあったため、高田馬場に。本来の史跡と区別するため「たかだのばば」となった。
● 秋葉原
「アキバ」でなく「アキハ」
明治2年(1869年)に起こった大火が元で、政府はこの地に火除けの地を設け、その中心に火伏せの神で知られる秋葉神社を勧請した。
この神社から「秋葉原」という地名が誕生したが「アキバ」ではなく「アキハ」なのである。
静岡県浜松市にある秋葉神社の総本宮は秋葉(アキハ)神社で、「アキハさん」とも呼ばれている。