「そこまで言って委員会」化する日本~三島由紀夫が叱った現代日本⑦
日本人は豚になる~三島由紀夫の予言
大阪市存続を巡る住民投票の否決で維新の会が弱体化したと考えるのは早計だ。政商でパソナ会長の竹中平蔵は11月8日、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」に出演。市長任期満了をもって政界を引退すると表明した松井一郎に対し、「私は、政治家としての能力、これは菅総理を含めて、みんなものすごく高く評価してるんですよ」「少し期間をおいて国政に出ていただきたい」と発言。三島由紀夫は日本の行く末を正確に予言していた。作家適菜収氏が新刊『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』でそのすべてを明らかにする。
■安倍晋三の箸の持ち方
保守はイデオロギーを嫌う。
大上段からの説明を拒否する。
現実から乖離したもの、夢、理想を警戒する。
大きなことを語るより、小さなことを重視する。
以前、私がツイッターで安倍晋三のデタラメな食事マナーを指摘すると、「そんな瑣末なことしか批判できないのか」「箸の使い方なんてどうでもいい」「政治家は政策で判断しろ」といったリプがついた。
三島は言う。
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もう一つは、生活の細目ということから行動規範を見つけ出すという考えで、私は、「葉隠」の場合、遠近法が非常にはっきりしていると思うのですが。いちばん手もとにある、箸の上げおろしから、盃の持ち方、そういうことからモラルをつめていって、それが美しいか美しくないかということから、こうすべきだ、ああすべきだということになり、最後に死へもっていっているという感じがしまして、いまの人たちの道徳観とぜんぜん逆みたいですね。
話が急に通俗的になりますが、このごろの青年は時間を守らない。時間を守るというようなことは瑣末なことである、本質をつかまえればいいんだ、という考えが非常に強いのですが、「葉隠」はそういうことを非常に嫌うようですね。瑣末なことに非常な重要なものがある。(「『葉隠』の魅力」)
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