青春期に、変な人や歪んだ人のサンプルをいっぱい見ておくことは貴重な財産になる(藤森かよこ【馬鹿ブス貧乏】⑬) |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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青春期に、変な人や歪んだ人のサンプルをいっぱい見ておくことは貴重な財産になる(藤森かよこ【馬鹿ブス貧乏】⑬)

仕事について [苦闘青春期(37歳まで)] 


「誰も本当のことを言わないから、ブスで馬鹿な私が本当のことを言う!」と元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)アイン・ランド研究の第一人者である作家・藤森かよこ氏がペンで立ち上がった。
 氏のものした『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ)は4刷を超え(以下、「馬鹿ブス貧乏」と表記)、多くの女性を勇気づけた「革命の書」である。アラフォー読者からの要請が殺到。今月21日より、第2弾
『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。が出版される。
 そこで、今回、藤森氏のご厚意に預かり『馬鹿ブス貧乏』の長いまえがきから第1章まで再構成し、「若いほど」役立つと低スペック女子が37歳までにやるべき本当のことを転連載で教えてくれる。まさに「馬鹿ブス貧乏」で生きるしかない女性が最高に幸せになる本当のサバイバル術である!


■対人免疫力をつける

 ひとりでできる仕事もあるが、あなたは馬鹿なので、今のところは、そのような特殊なスキルは持ち合わせない。つまり、あなたは他人の間に入って仕事をしなければならない。そこには同僚や上司がつきものだ。

 人間が集まれば、どうしても競争関係になる。ブスで馬鹿なあなたに対してさえ、ライバル意識むき出しで、マウンティングしてくるような人々も出現する。そういう場合は、私より馬鹿な人がいるなあと思って相手にしないことしか対処法はない。

 あくまでも賃金目的で働くのであるから、仕事場の人間関係が不快という理由で別の仕事先を求めるのはやめよう。

 セクハラやパワハラが酷い場合は労働基準監督署に相談しよう。すべて記録し、できれば録音しておこう。証拠が大事だ。

 ともかく職場の人間関係が面白くないという理由で、退職するのはやめよう。どこにでも馬鹿はいる。人格障害者もいっぱいいる。みな病んでいる。人間関係がうまくいっている職場など存在しない。

 ブスで馬鹿で貧乏なくせに感受性だけは鋭いあなたにとっては、それは辛いことだと思う。どうして、こんなに無駄に無意味に不必要に意地が悪くなれるのであろうかと、あなたが呆(あき)れ驚く人々は少なくない。

 つまらないことに嫉妬する人々もいる。呼吸するように嘘をつく人もいる。卑怯がスーツを着ているような人もいる。

 幸いなことに、あなたはブスで馬鹿で貧乏なので、嫉妬の的(まと)になることはないが、あなたを軽んじる人々は多いと思う。ここは、敢えて鈍感になろう。

 気にしないでいようと言われても無理かもしれない。気になるものは気になる。でも、気にしないふりぐらいはできる。そのうち、ほんとうに、どうでもよくなる。次第に慣れてくる。職場の人間関係など永遠に続くことではない。状況はどんどん変わる。

 他人を変えることはできない。あなたがいくら気にしても、他人は変わらない。変わらない相手について本気で考えても詮無(せんな)い。挨拶だけはしておけばいい。挨拶して応答がない場合でも、あなたに損はない。

 人生の道程のかなりを通過した立場から言うと、青春期に、変な人や歪んだ人のサンプルをいっぱい見ておくことは貴重な財産になる。「対人免疫力」がつく。対人免疫力がつけば、人間関係の対処はかなりラクになる。

 特に、あなたを傷つけ、騙し、おとしいれ、裏切った人々のことは、きっちり観察しておこう。きっちり記憶に残しておこう。

 よく、嫌なことや嫌な人のことは忘れなさいと言われる。それでは駄目だ。それは自己欺瞞(ぎまん)であり現実逃避だ。二度と嫌なことを経験しないためにも、嫌なことも嫌な人間も忘れてはいけない。そういう類の人間がこの世にはいっぱい存在するという想定をしておけば、次に似たような事例に遭遇(そうぐう)しても対処がしやすい。

 人間は千差万別であり、同じ人はいない。それでも類型というものはある。似たようなつまらない類の人々が、再びあなたの人生の道筋に登場する。あなたは馬鹿だから、何でも忘れがちで、同じ失敗を繰り返しやすい。だからこそ、つまらない人間のサンプルを忘れてはいけない。

 技術やスキルは失敗を重ねれば学習できるが、人間関係の失敗は繰り返す価値がない。人間嫌いになるだけだ。つまらない人間に関与することには何も益がない。

 そもそも、他人に対するあなたの判断が曇(くも)るのは、あなたにその他人に頼むところがあるからだ。何かを期待しているから、観察眼が曇る。

 あなたは馬鹿だから、ついつい小賢(こざか)しく計算しがちだ。あなたの頭は、本質や大局を見ることができないが、矮小(わいしょう)な打算はできる。しかし、馬鹿なので、あなたの打算は的外(まとはず)れになりがちだ。

 前提として、同僚とか上司というものはろくでもないと心得ておけと言っているのではない。何も含むところなく、期待せず依存せず打算せず、他人には無心に接する。そうすれば、おのずと見えてくるものがあると言いたいのだ、私は。

 あなたが、ある人々から被害を受けたとしたら、その責任はあなたにもある。加害的人物であると見抜けなかった、あなたの観察力不足と、期待や願望というあなたの先入観にも責任がある。

(第14回につづく馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』より再構成

KEYWORDS:

年末年始「最大」の問題作
低スペック女子(馬鹿ブス貧乏)
「ホンネ」の生き残り術第2弾‼️

藤森かよこ・著
『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』

12月21日より全国書店・アマゾンほかにて発売‼️

 

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課 程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。  

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