「過去の自分」から逃げない。「過去の自分」こそ潜在能力を発揮させる宝庫
久瑠あさ美のメンタルトレーニング実況中継【第15回・最終回】
各界の著名人から企業セミナーまで絶大な信頼を寄せられているメンタルトレーナー・久瑠あさ美さん。
そのトレーニングの極意を初めて実況中継動画で公開しているのが本連載。
実況中継動画で初公開しているのが本連載。
この先のあなたの人生においても、自分を好転させるヒントが見つかるかもしれません。
最終回は、「過去の自分」から逃げずに、しっかり向き合い、そこに「潜在能力を発揮させるヒント」があることを学びます。
まずは以下の動画を視聴してみてください。
本連載もいよいよ最終回です。
これまでの連載では、自分では気づくことのできないでいる無自覚な「潜在的な自分」を探求する2つのワークに、本連載編集の鈴木さん、ディレクターの甲斐荘さんが実際に取り組み、トレーニングを体験していただきました。いま直面している仕事から始まり、この時代を生きるひとりの人間としての在り方に至るまでの「これまでの自分」を根本から掘り起こし、自らのマインドと向き合うことが“いま”をいかに生きるのかの一人一人への問いかけとなります。
どんな状況の中においても、「この先の在りたい自分」を創り出していくことはできます。潜在意識へ働きかけていくトレーニングによってその真実が明らかになっていきます。
第12回からは、本連載最後のワークとなる「潜在意識とつなぐワーク」に取り組んでいます。
このワークでは、
1、あなたが思いつく最高レベルの人物を思い描き、
2、その人物があなた自身を感動させてくれるエピソードを、15個書きだします。
今回は、ディレクター甲斐荘さんがワークに取り組んだ結果を見ていきます。甲斐荘さんがワークを通じて、苦しみながらもこれまで目を背けてきた自分自身に向き合う姿には本トレーニングの醍醐味が表れています。
■潜在意識に潜む魔物
久瑠:もうひとつ上の階層で見ていくと、ワークシートが譜面に見えてきます。書かれている文字や言葉にはメロディーとリズムがあり、エネルギーが伝わってくる。「言語化されていないけれど、そこに在る何か」にフォーカスを向けていくんです。
そうやって、「何が起きたか」という目に見える事実だけでなく、「何を感じられていたか」という無自覚な真実を読みとっていきます。「その時、その人はそこでどんな時間を過ごしているのかな?」ということを想像してその瞬間の体感を、今回なら甲斐荘さんの無意識にアクセスするイメージで、ともに創造していくんです。潜在意識に触れるトレーニングが既にここから始まっているんですね。
そのイメージで言うと、甲斐荘さん自身がお一人で、今日ここに来る前に書いたこのワークシートですが、「この紙の上で遊べたか、遊べていないか」という観点ではどうでしたか。
甲斐荘:そうですね……。「遊ぶ」ということにはならなくて。どちらかと言うと「自分にできなかったこと」にフォーカスが行ってしまった気がします。
久瑠:はい。
甲斐荘:「こういう場面で、こういうことができなかった」みたいな感じで書いてしまった印象があるので、全部が全部ではないですけど、「できなかったことリスト」「自分はこうなれていない人リスト」みたいなものを作ってしまった感があります。
久瑠:……時に、課題はなんでしたっけ?
甲斐荘:課題はね……全然違うんですよ!「自分が想像のできない最高の人物のエピソードを書いてください」だったような。
久瑠:ん?その「想像のできない最高の」というところ、結構しつこく言いましたよ。それにも拘わらずやっぱり…拒絶したんです。
甲斐荘:いや、そうですね。
久瑠:苦しみの中にいるときは、何かに対して無自覚な拒絶心があるんです。それが「ブロック」で…ワークをやっている間に課題がすり替わっているんですね。
甲斐荘:「やってる間」…そういう意味では、やりはじめた瞬間にすり替わっちゃってました。相当な無意識ですね。
久瑠:そういうことですね、「自分と違う在り方を楽しんでください、エンジョイしてください」とお伝えしたはずですが、全然トンチンカンで…
甲斐荘:「エンジョイ」はゼロですね。
久瑠:「エンジョイ」して取り組むこと…この課題は、絶対にできるんですよ。ただ、もうひとりの甲斐荘さんが「やる」って言ってくれない…「自分を知りたい」と言いながら、「自分を知る」その瞬間に、潜在意識が邪魔をするんです。それが無自覚なもう一人の自分…自らをそうさせない何かがそこには存在していて…「魔物は自らのうちにある」ということです。潜在意識に、得体の知れない魔物が潜んでいるんですね。
POINT
◎ワークによって、潜在意識のブロックが表に出てきました