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雑草軍団で勝つ。「オレたちにも出来る」清宮克幸が日本ラグビーに与えた勇気

降格の危機を救い日本一も経験。ヤマハ発動機を変えた名将の軌跡

■名将清宮克幸、ひとつの戦いを終える

写真:大友信彦

「この写真が、僕にとってのヤマハラグビー部のすべてです」

 そう言った清宮克幸が手にしていたのは、2014年度のラグビー日本選手権決勝、ヤマハ発動機ジュビロがサントリーを破り、初のラグビー日本一に輝いた試合後の集合写真だった。

 戦い終えた選手たちの手にはたくさんのトロフィー、カップ、楯が抱かれ、選手たちの背後にはサックスブルーのレプリカジャージーを着込み、応援旗を手にしたサポーターたちがひしめく。どの顔も、満面の笑みを浮かべている。

 1月29日、東京都新宿区の日本青年館ホテルの1室には、およそ100人近くのメディアが詰めかけていた。ラグビートップリーグのヤマハ発動機を8シーズン率いた清宮克幸監督の退任会見。退任の報道は年末、トップリーグの順位決定トーナメント準決勝で敗れ、優勝が消えた直後に流れ、本人もその意向を認めていた。1月に行われたカップ戦に向け、ヤマハ発動機グラウンドで行われた最後の練習にはたくさんのファンが「清宮監督ありがとう」と書いた横断幕などを手に集結。

 最後の指揮となった1月19日のカップ戦終了後は、選手たちの手で胴上げ。8度にわたって宙を舞い、試合後は各メディアのインタビューに応じた。

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大友 信彦

おおとも のぶひこ

1962年5月7日、宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高から早大を経て1985年からスポーツライター。『東京中日スポーツ』『Number』『ラグビーマガジン』『WEBマガジン RUGBY JAPAN 365』などに執筆。著書に『奇跡のラグビーマン村田亙』(双葉社、2005年)、『オールブラックスが強い理由』(東邦出版、2011年)、『エディー・ジョーンズの監督学』(同、2012年)、『不動の魂』(実業之日本社、2014年)など。


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