マクドナルドの礎築いた男の哲学「常識にこだわる奴は常識に殺される」
「売れない」と言われたチキンナゲットを売りまくった
昨日新体制を発表した、日本マクドナルド。前社長のサラ・カサノバ氏は会長に就き、日色保上氏が社長に昇格。トップが誰であれ組織体制がしっかりしており、盤石に見える。今でこそ“安定期”に入ったように見えるマクドナルドだが、その礎を築いたのは藤田田という型破りな経営者だ。「常識にこだわる奴は常識に殺される」その刺激的な哲学を、チキンナゲット導入時のエピソードから紹介しよう。『クレイジーな戦略論』より。
■常識をトコトン砕いた“金儲けの頭”
常識にこだわる奴は常識に殺される。
ある場面に直面して、なんらかの判断をくださなければならないことは、よくあることである。私は、そういった場合には、一つのことに三通りの判断を考えてみる。
一つめの判断をくだした場合はどうなるか。二つめの判断ではどうなるか。三つめではどうなるか……。
それらを考えてから、最後にこれがベストの結果を招くと思われるものを選択し、決断する。まず、判断をして、それから決断をくだす。
そういった判断の仕方は、訓練を積み重ねて養うほかない。
判断力は推理力である。だから、判断力を養うことは推理力を整うことである。推理力がある人がいい判断ができる人である。
ものを判断する場合、表か裏か、白か黒かを判断するだけなら、確率は一対一である。しかし、ビジネスの場合、そんなに簡単に判断はくだせるものではない。推理を重ね、そうして決断に至る。その過程で、あらゆる結果を予測する。だから、結果として予測しなかったことが起こることはあり得ないことである。