NHK大河ドラマ『いだてん』金栗四三の波瀾万丈すぎる人生とその素養
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第55回 ~金栗四三~
続いて十二運星を見ていく。
「病(びょう)」運勢エネルギー:4
夢や空想の世界が好きで、神秘的なものを好む。芸術性に長けている。人にやさしすぎるところもある。
※通変星、十二運星を合わせて、芸術性の高い星が3つあると言われる。それは、「傷官」「病」「沐浴」だ。四三はそれをすべて持っている。マラソンのイメージが強かったので、正直これには驚いた。大河ドラマを見ていても、そのような雰囲気は見受けられないが、相当に芸術性が高かったものと考えられる。マラソンに生涯を傾けていなかったら、海外で活躍する、画家、音楽家になっていたのではないか、筆者は思う。ストックホルムオリンピックの後、1920年のアントワープオリンピック、1924年のパリオリンピックに出場する等、ヨーロッパを複数回訪れるが、ヨーロッパの街並みや芸術は四三の目にどのように映ったのだろうか。
「長生(ちょうせい)」運勢エネルギー:9
学問が好きで順応性が高く、穏やかな性格。とにかく人から信用され、保険の営業マンやセミナーの講師に向いている。
東京高等師範学校を卒業し、教師という職についた思想。物分かりがよく優しい四三は生徒から絶大な信頼を寄せられ、大人気だったという。
「沐浴(もくよく)」運勢エネルギー:7
「少年」の意味を持ち、思春期の中学生のように突然何をしでかすかわからない少しトリッキーな星。好奇心が強く、飽きっぽい。芸術性も高い興味深い星でもある。海外や放浪生活が好きで、浮気性、芸術の星でもある。
一つのところに留まることに向いていない性格なのだろう。熊本から東京へ、そして海外、全国へと活躍の場を転々とすることができたからこそ、輝けたのだろうか。四三は「日本のマラソンの父」と呼ばれるように、選手を引退した後、後進の育成に尽力し、あのお正月の恒例行事、箱根駅伝をも考案した。また、それらの功績が認められ、昭和30年(1955年)には、スポーツマンとしては初の紫綬褒章を受賞している。
四三の一生を見てみると、驚くほど波乱万丈。まさにドラマで取り上げたくなるような生涯だ。命式表を見てみると、「偏財」や「偏印」、「沐浴」等、いわば破天荒な性質が強く、その波乱万丈な人生をも謳歌していたように見受けられる。四三の動乱を好む好奇心の強さと、芸術性の高さに注目しながら、今後も大河ドラマを楽しもうと思う。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。
■用語説明
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。
【参考文献】
「近代オリンピックのヒーローとヒロイン」池井優 慶應義塾大学出版会 (2016)
「マラソンと日本人」武田薫 朝日新聞出版 (2014)
歴史戦国でワクワクしたい!BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)HP いだてん特集よりhttps://bushoojapan.com/idaten/2019/01/09/107310