「本なんて読まなくてもネットで十分」の大間違い。“答え”を出さないことに意味がある
今の時代、立ち止まることが必要だ。
■ サル山でサルが吠えている
本なんて読まなくてもネットで十分だという人がいる。
もちろんそれは間違いだ。
たしかにネットには大量の情報が溢れている。魅力的なものも多い。
必要な情報をピンポイントで探し出すこともできる。
だからダメなのだ。
情報により武装した結果、人間はバカになる。
ネットでは一番肝心な部分が見えてこない。
それは答えにたどり着く過程、思考回路の部分である。
ネットで答えを探すと答えしか見つからない。
その「答え」を暗記して居丈高になる人たちがいる。ネトウヨもそうだ。
ネットにはゴミも多い。
価値のある学説も根拠のない陰謀論も一緒に並べられてしまう。
今なら、ネトウヨのブロガーが書いたようなコピペ本が書店に平積みになり、彼らが説く「本当の歴史」を読者は暗記するわけだ。
最近、わかりやすい本が流行っている。
世の中の森羅万象をわかりやすい言葉で説明してくれる人が持て囃されている。
複雑なことを複雑なまま説明する本は売れず、とにかくわかりやすい解答を示してくれる本が売れる。
こうした読者は自分の主張に近い本しか読まない。
著者の主張を受け売りして、それを覚えて繰り返すうちに、自分の主張と思い込むようになる。それで、ネットなどで反対意見を述べる奴を一方的に罵倒して「論破した」と自画自賛し、温かい世界に閉じこもるわけだ。