スクラムとラインアウトを制するものはラグビーを制す。
「ラグビーのオモロイ観方」第5回
■高さだけでなく、サインプレーも重要なラインアウト
福田 スクラムはわかったので、次はラインアウトの解説お願いします!
大西 ラインアウトを他のスポーツのプレーでたとえるならば、おそらく一番わかりやすいのは、サッカーのスローインですね。ただ、サッカーは好きなところにどこでも投げられますが、ラグビーの場合、両軍のFWが1mの間隔をあけて一列に並び、ボールを列の間にまっすぐ投げて、ジャンプして取り合います。なので、ディフェンス側のチームでもボールを取る大きなチャンスなんですね。
福田 やはり、ラインアウトはラグビーならではのプレイですよね。
大西 そうですね。スクラムはパワーを競いますが、ラインアウトは高さを競うのです。ボールを捕るジャンパーは、もちろんチーム内で高身長の選手。ボールを投げるスロワーはフッカーの選手がつとめることが多いですが、チームごとに柔軟性があって背が高い選手が投げる場合もあります。
スクラムは人数が8人と決まっていますが、ラインアウトはボールを投入する側が何人参加するのか決定権があり、ディフェンス側がそれに合わせるのが面白いところです。
福田 確かに!言われてみれば大勢いるときもあれば、少ないときもあるとは思ってたんですけど。
大西 どれだけ人数をかけるのかも駆け引きのひとつですが、攻撃側は相手にボールを捕られないようにあらかじめサインを使って、「誰が」、「どのように動いて」、「どの位置で」飛んでキャッチするか決めているのです。
福田 野球でもキャッチャーが次にどの球種を投げるか、ピッチャーにサインを出しますけど、それに似ていますね。
大西 ただ、ラグビーはラインアウトに参加しているFW全員に伝えなきゃいけないので、実際声出すところが違います。でも、基本は同じですね。