『いだてん』で阿部サダヲ演じる日本水泳の父は、驚くほどアンバランスな性格の持ち主だった! |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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『いだてん』で阿部サダヲ演じる日本水泳の父は、驚くほどアンバランスな性格の持ち主だった!

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第56回 ~田畑政治~

続いて十二運星を見ていく。

「絶(ぜつ)」運勢エネルギー:1

 十二運星は輪廻転生を表すが、「絶」はあの世の意味を持つ。常に精神的孤独を感じる危うく不安定な星。人に裏切られる経験も多い。普通の生活に向かない。そのため、芸能人等に多い。

 東京へのオリンピック招致を言い出し、それを見事に成功させて夢の東京オリンピックを目前に控えた1962(昭和37)年、政治は東京オリンピック組織委員会の事務総長の座から追放された。政治自身これは予想外だったようで、著書『スポーツとともに半世紀』にて「私がいい出して、自分の書いた筋書きとおぜん立てで持ってきたと自負できる東京大会である。(中略)率直なところ、育てあげたわが子を手放すような気持であった」と綴っている。津島寿一会長との不仲、対立がその原因であったが、裏切りにあって全うに事が進まないあたり、「絶」が要因の一つでありそうだ。

「墓(ぼ)」運勢エネルギー:6

 探求心があり凝り性。仏教に興味を持つ。先祖供養の役目があり、墓参りを熱心に行って開運する。ご先祖との縁が深い。

 先に触れたように、政治はオリンピックにこだわり続けたが、また同様に生涯を通じて水泳の発展に力を注ぎ続けた。静岡県浜松市中区に生まれた政治。身体はそれほど丈夫でなかったが水泳が好きで、地元の水泳クラブ「遠州学友会水泳部」でも1、2を争うエース格だった。しかし中学生の時に盲腸炎と大腸カタルを併発し、競技者の道を断念。しかし、競技者としてダメなら指導者になろうと、その後も水泳の発展にこだわり続けた。まずは浜名湾を日本一の水泳王国にしようも考え、周辺の中学校水泳部などを統括する「浜名湾遊泳協会」を設立して、大規模な選手育成を行った。大阪の茨木中学校に続いてクロール泳法を取り入れ、1923(大正12)年には「浜名湾遊泳協会」が全国優勝を果たしている。

 政治はその後、世界に目を向け、「日本水上陸上競技連盟」の理事として、ロサンゼルスオリンピックで、金メダル5、銀メダル5、銅メダル2個を、ベルリンオリンピックにて金メダル4、銀メダル2、銅メダル5を獲得し、水泳大国・日本のイメージを盤石なものとした。一度こう!と決めたらとことんやりたいタイプなのだろう。今でも水泳大国・日本のイメージは世界に轟いている。

 今回は政治を四柱推命鑑定したが、優しい星と厳しい星をアンバランスに持ちあわせている非常に興味深い人物であることがわかった。一見、厳しく自分勝手な人に見えるが、実は心は愛であふれている…そんなイメージだろうか。勝手ながら筆者の見解を申し上げると、上司にはしたくないが、友達に欲しいタイプだ。阿部サダヲさん演じる政治の強烈なキャラと人情味に注目しながら、大河ドラマを満喫したいと思う。

日本水泳連盟会長、日本オリンピック委員会会長などを務めた田畑政治

 

■四柱推命とは?

古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。

■用語説明

日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分

主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。

自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。

【参考文献】

「近代オリンピックのヒーローとヒロイン」池井優 慶應義塾大学出版会 (2016)
「マラソンと日本人」武田薫 朝日新聞出版 (2014)
歴史戦国でワクワクしたい!BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)HP いだてん特集よりhttps://bushoojapan.com/idaten/2019/01/09/107310

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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