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AI時代の今こそ「寺子屋」に学べ。落ちこぼれを生まない教育法とは?

有名中学入試問題で発見する「江戸時代の日本」④渋谷教育学園幕張中学校〈後編〉

名門中学の入試問題をひもときながら、江戸の町の武家・庶民の真実の姿をあきらかにしよう。歴史を学び直したい大人、必読!渋谷教育学園幕張中学校の入試問題から寺子屋を紐解く。問題、寺子屋の入学までは〈前編:江戸後期、日本は世界一の識字率を誇った!「寺子屋」が果たした大きな役割〉をお読みください。

■入学式後、すぐ授業開始!

 こうして入学すると、その日から早速手習い開始。

 現代で「入学式後、そのまま通常授業へ突入」でもしたら、たぶん全く気乗りしないですよね。

 最初は勿論「いろは」から。

 俗諺に「一字を覚えることは千金の値がある」と言われました。

 そうすると、「いろはにほへと」の7字で7千両(約7億円)の価値。

 また、

「身にあまる恩は七つの年に受け」
「初午に七千両が字を覚え」

 の川柳からも、当時は子供ながらに親の恩を、このあたりから実感したと分かります。

■学校でお弁当を食べるのは、それが寺子屋で数回流行したから

 これは偶然なのか、結果的にそれが一番理想的なのかわかりませんが、授業時間は現代と変わらないのが不思議です。と言っても、スタートは少々早く始まりますが。

 朝7時半頃に授業開始。終わるのは午後2時半~3時頃です。

 昼食は一旦帰宅して家で食べますが、雨の日などは「お弁当」持参なので、皆で寺子屋で食べます。

 江戸時代、「雨じゃないのにお弁当を持参する」ということが数回流行ったことがあり、やがて定着。それがこの寺子屋時代から連綿と続き、今の「学校でお弁当を食べる」という習慣になっているのです。

次のページ午後は生徒が数割消える!?

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瀧島 有

たきしま あり

江戸文化歴史研究家

江戸文化歴史研究家。学校や教科書が教えない、江戸の町の武家・庶民の真実の姿、風俗や文化、食べ物などを研究する傍ら、江戸文化勉強会「平成江戸幕府」を主宰。フェリス女学院大学、内閣府クールジャパン・アドバイザリーボード・メンバーなどを経て、法政大学文学部史学科に在学中。著書に『あり先生の名門中学入試問題から読み解く江戸時代』など。


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  • 2015.11.01