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AI時代の今こそ「寺子屋」に学べ。落ちこぼれを生まない教育法とは?

有名中学入試問題で発見する「江戸時代の日本」④渋谷教育学園幕張中学校〈後編〉

■寺子屋はビジネススクールだったから、生徒たちは明治維新後に活躍できた

 寺子屋は数人~30人弱ぐらいの規模が多かったのですが、人気がある師匠や寺子屋だと生徒だけでも3桁!当然生徒は入りきらず分校ができたほどです。ど親もわざわざ近くに引っ越したり、なかには渡し船に乗って来るなどして、遠路はるばる通う生徒もいました。

 寺子屋は大工の子には大工の往来物、農家の子には農業の往来物、というように、「その子にとって」即仕事&人生に必要不可欠なものを教えました。

 これはさしずめビジネススクールのようですね。

 だからこそ、明治維新後に武士以外の青少年たちでも仕事で成功できたのでしょう。

 もし現代の学校のように「それぞれ違う家・性格・人生なのに、無理やり全員同じことを、しかもその子の理解度を無視して教えていた」ら、「各自に本当の意味で即役立つこと」は「寺子屋の内容」から考えれば少ないかもしれません。なぜなら、寺子屋は「その子の人生に当日から役立つ」ことを、一人一人に合わせて教えたからです。

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瀧島 有

たきしま あり

江戸文化歴史研究家

江戸文化歴史研究家。学校や教科書が教えない、江戸の町の武家・庶民の真実の姿、風俗や文化、食べ物などを研究する傍ら、江戸文化勉強会「平成江戸幕府」を主宰。フェリス女学院大学、内閣府クールジャパン・アドバイザリーボード・メンバーなどを経て、法政大学文学部史学科に在学中。著書に『あり先生の名門中学入試問題から読み解く江戸時代』など。


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  • 2015.11.01