シニアドライバーの反射神経の衰えを防ぐ!松田秀士流・脳トレ
松田秀士 スローエイジングドライビングレッスン③
■踏み間違い誤発進防止装置も体験
レッスンの午後からは、トヨタ自動車の協力により、昨今ニュースとなっているブレーキとアクセルペダルの踏み間違いによる事故を防ぐ、「踏み間違い加速制御システム」の体験会も併催されました。
壁の前にクルマを停車させ、車輪止めを設置。当システムを搭載したクルマなら、そこからアクセルを踏んでもセンサーが働き、車輪止めを乗り越えないという体験です。
もちろん、ドライバーが正しいペダルの踏み方の感覚を磨き、踏み間違いをしないことが重要ですが、人間はミスも犯すもの。こういった先進予防安全システムが備わったクルマを選択するというのも、事故防止には大きく役立つことを体験できました。
■先進予防安全システムでもシニアをフォロー
システムの概要ですが、クルマの前後バンパーに超音波センサーを配置し、前方または後方3m以内にある壁などの障害物を検知すると、専用モニター(写真上)で注意を喚起。
それでもアクセルを踏み込むような状況になった際には、クルマの加速を自動的に抑制します。
このシステムは今後発売されるトヨタ車への標準増備を進めていくとのことですが、後付けで搭載することも可能。
後付けの「踏み間違い加速抑制システム」の価格は5万5080円(本体と付属品。取付費など諸費用は別途)ということで、現在はプリウス、プリウスα、アクア、プレミオ、アリオンの5車種に装着可能だということです。
トヨタ自動車では、「交通事故死傷者ゼロ」を目指し、このような試みで自動車運転者により多くの安全、安心を届けていきたいということです。
■「脳トレ」で反射神経の衰えを防ぐ
教室での座学では、反射神経の衰えを防ぐ脳トレを松田氏が教授。
「加齢とともに、とっさの判断力もどうしても衰えてきます。要は反射神経なのですが、それも1枚のシートで簡単に老化を遅らせることができます」と言いながら、松田氏は今回の教材として用意した矢印のいっぱい書かれたシートを解説しました。
「このシートに書かれた矢印、まずは書かれている通り、矢印の方向を口に出して、その通りに腕を動かしてみてください。それが慣れたら、今度は矢印の色を呼びながら、腕を動かす。それも慣れてきたら、今度は矢印の向きを口に出しながら、腕は反対の向きに動かしてみてください。そうやって難易度を上げて、読み上げるスピードも早くすれば、反射神経のトレーニング、いわゆる脳トレになります」と松田氏。
実際にやってみると、矢印の通りに腕を動かすのが簡単でも、色の読み上げから怪しくなり、矢印の向きと逆の動作をするとなると、結構なトレーニングが必要だと実感。
「瞬間瞬間の判断を早く動作につなげるのも、とっさの事故を防ぐのに重要です」と松田氏。時間のあるときに、ちょっとでもいいから実践しておきたいと痛感するトレーニングでした。
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