なぜイランで、人前でプロポーズした男女が逮捕されたのか!? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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なぜイランで、人前でプロポーズした男女が逮捕されたのか!?

えらてん×中田考の  ビジネスに役立つ「宗教入門」 〈第1回〉

■イラン人はもともと宗教的ではない

えらてん:例のプロポーズ動画を見る限り、このカップルの周囲の人たちは祝福しているように見えるんですけど、イラン政府の方針と国民感情の乖離ってあるんでしょうか?

中田:うーん、そもそもイラン人ってもともとそれほど宗教的じゃないんですよ。宗教的なのはスンナ派のイメージですね。スンナ派の場合、断食とかの宗教「行為」をしている人間が宗教心が高いとされるんですが、イランの国教であるシーア派では行為よりも内心が大切なんですね。たとえば(イスラーム教で基本的に禁じられている)酒を飲むやつでも、ムハンマドのお孫さんのイマーム・フサイン(626~680)が悲劇的に殺された話を聞いて泣ければ、「信仰心があるな」ということになる。

えらてん:つまり、スンナ派は外形を大切にして、シーア派は内心を大切にすると。実際のところ、イランの若者はどう思ってるんでしょう? 公開プロポーズへの取り締まりとかを。

中田:たぶん、6割くらいは「警察はうるさいなあ」と思ってるんじゃないですか。ただ、1割くらいは「もっと厳しく取り締まれ」と思っているでしょう。

えらてん:残りの3割は?

中田:中立でしょうね。もっとも、うるさいと思っている6割の人々も体制を倒そうとまでは思っていません。体制打倒を考えているのは、せいぜい1割弱くらいだと思いますね。

えらてん:「不自由な国家」とひとくくりにされますけれど、何をしたら罰されるか明確な国と、そうでない国に分かれると思うんです。その意味では、イランは前者ですね。

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