消費増税も吹っ飛ばす破壊力。「MMT」(現代貨幣理論)の正体 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

消費増税も吹っ飛ばす破壊力。「MMT」(現代貨幣理論)の正体

トンデモ理論か、日本を救う切り札か。

■MMT反対派への反論

 えっ、MMTなんてトンデモ経済理論の実験なんか、してはいけない?

 それを言うなら、「デフレなのに、消費増税を断行する」ことの方が、よほど「実験」でしょう。

 だいたい、「デフレ時に消費増税をやっても問題ない」なんて経済理論、どこにあるんですか?

 MMTをトンデモ呼ばわりした原真人さん、教えてください。

 しかも、消費増税の実験でしたら、すでに、1997年の消費増税(税率3%から5%へ)と、2014年の消費増税(5%から8%へ)の二度もやっています。

 いずれの実験も、デフレを悪化させました。

 何で、二度も失敗した危険な実験を、もう一回、やろうとしているのでしょうか。

 意味が分かりません。

 ところが、財政赤字の拡大については、まだ、こう反論する人がいます。

「いや、財政赤字の拡大を認めてしまったら、インフレは止まらなくなる。インフレを止めるために、歳出を削減したり、増税したりするなんて、できないんだ。なぜって、国民が嫌がる歳出削減や増税を、政治家は決断できないからだよ」

 これは、ひどい反論ですね。

 なぜなら、財政支出や増税は、国会で決めることになっています。

 これは「財政民主主義」と言って、日本国憲法第83条で定められています。

「歳出削減や増税はできないから、インフレが止まらなくなる」というなら、財政は、国会以外のどこで決めるのでしょうか?

 財務省が決めるのでしょうか?

 いや、ダメです。それは、憲法83条違反ですよ。

 それに、日本は、すでに20年も、インフレを止めています。

 むしろ、インフレにしたくてもできなくて、困っています。

 2014年には、デフレで国民が苦しんでいるのに、消費増税をしてしまいました。

 そんな日本が、どうしてインフレが進み過ぎて国民が苦しんでいる時に、歳出削減や増税ができないというのでしょうか?

 日本の民主主義をバカにするのも、いい加減にしてもらいたいものです。

 というわけで、MMTの破壊力、いかがでしたでしょうか?

 財政や税金について、もっと知りたくなったでしょうか?

 それとも、狐につままれたようで、どうも納得できないといった感じでしょうか?

 どちらにしても、議論の続きについては、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』をお読みいただけますと、幸いです。

 読み終わったら、経済学者、官僚、そして朝日新聞編集委員もビビるほど、経済が理解できるようになっているでしょう。

KEYWORDS:

日本のMMT[現代貨幣理論]ブーム仕掛け人・中野 剛志の簡単解説。
最高の入門書!!

『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』
Amazonベストセラー【経済学】売れ筋ランキング2位(2019.7.18現在)

『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』
Amazonベストセラー【経済学】売れ筋ランキング1位(2019.7.18現在)

 

ともに3刷重版決定!!!

「こんなに高度な内容をこれ以上わかりやすく書くのはもう無理です。
――中野剛志

経済常識が180度変わる衝撃!!
日本経済はどうなるか、どうすべきかがよく分かる
今年度最高の経済書2冊!!!

世の中のカラクリをここまでバラした。

 

オススメ記事

中野 剛志

なかの たけし

1971年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。96年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。01年に同大学院にて優等修士号、05年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ)。  

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
  • 剛志, 中野
  • 2019.04.22