上原浩治に聞く Q.18 どうやれば不安に打ち克てますか?
不安は考え方ひとつで、ポジティブな原動力にもなる。上原投手、至高の哲学
つねに不安を覚え、またそれに向き合わなければ勝てない世界で生きている。その現実に自覚的な上原投手だからこそ生まれてくるのが、少人数の自主トレだったり、喜怒哀楽を表現してメンタルを切り替える方法であったり、または自ら情報を発信していくことであったりする。不安は考え方ひとつで原動力にもなりうることを上原投手の姿が教えてくれているはずだ。
でも……そんな不安とどうやって向き合い、打ち克つことができるのであろうか。
でも……そんな不安とどうやって向き合い、打ち克つことができるのであろうか。
野球しかやってこなかったという不安
――不安だとおっしゃる上原さん、その不安に打ち克つ方法ってありますか?
うーん、それは僕も知りたいですね(笑)。
――これまでのお話のなかでも何回か「不安」という言葉が出てきました。上原さんも言いようのない不安のようなものに襲われることがあるのですか?
それはつねに不安ですよ。
まずいつクビをきられるか分からない世界に生きていますからね。それでもしクビをきられてしまって野球ができなくなったら……と考えると、正直、ここ十数年間野球しかしていないわけですから、なにも残るものがない。その不安はすごくあります。
――そんなことはないと思うのですが……お話も上手ですし。
いやいや、全然です。最近は講演会のお話なんかもありがたいことにいただくんですけど、これがもう、僕は大の苦手なんです。
こういうインタビューや、トークショーのような形で質問してくれる人がいればまだなんとかなるんですけど、自分で50分喋ってください、と言われたら……それは全然だめですね。
いまは野球ができているから、そういうことに対してごめんなさい、と言えますけど次の道、ってなったときにね。そういうわけにもいかないでしょうから。やっぱり、いつクビになるかわからないというのは、そうした次のことを考えても不安なものです。
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