会社の利益よりまず個人。そう思い至った経営者の“手痛い過去”
大賀康史氏インタビュー<後編>
「ビジネス書の内容が1冊10分でつかめる」書籍要約サービスflier(フライヤー。その立ち上げ人、大賀康史氏にインタビュー。経営者・起業家としての一面を持つ氏は自身の経験をもとに『最高の組織』を上梓。そこに行きつくまでの手痛い過去とは。
■大切なメンバーが離れた
同僚との雑談からトントン拍子で起業は決まりました。勤めていたコンサルティング会社を退社。「まずは1年間全力でやってみよう」とフライヤーをスタートしました。
滑り出しは順調。創業半年ぐらいで様々なコンテストに出ていくつか受賞も果たし、10か月目にはワールドビジネスサテライトで紹介いただけました。メンバーも創業時の3人から、エンジニアが加わり4人になり、ほかにも協力してくれる方が1人、2人と増えて自然と成長していきました。
しかし、あるとき成長は止まり踊り場をむかえることになります。事業の方向性の違いで、志をともにしたメンバーと袂を分かつことになったのです。ショッキングでした。いまから5年前、2014年の3月だったでしょうか。チームは崩壊し、
メンバーが辞めていくとき、感情的な言葉を投げかけられました。なんでそんな言葉が出るのだろう。その人と一緒に盛り上がった時期もあったのに、どこで自分が判断を間違えてしまったのだろう。その人は何を大切にし、どんな思いを抱いていたのだろう。そんなことを客観的に考えました。
このときから私は、一緒に働く人の気持というものを強く想像するようになったのです。